第24回風工学シンポジウム

講演情報

口頭講演

構造物の風圧力(1)

2016年12月6日(火) 13:30 〜 15:00 建築会館ホール (建築会館)

司会:大竹 和夫((株)竹中工務店)

14:06 〜 14:24

[36] 形状に着目したバヌアツ共和国タンナ島における伝統的サイクロンシェルターの空気力学特性

○岸田 夏葵1、西嶋 一欽2、西村 宏昭2 (1.京都大学工学研究科建築学専攻、2.京都大学防災研究所)

キーワード:サイクロンパム、ノンエンジニアド、風洞実験、サイクロンシェルター

2015年3月12日から14日にかけてサイクロンパムがバヌアツ共和国を通過し甚大な強風被害をもたらした。同国タンナ島はそのなかでも最も建築物被害の大きかった島の一つであるが、タンナ島の島民は伝統的な住宅である“ニマラタン(Nimulaten)” をサイクロンシェルターとして利用し、人命を守ったことが明らかになっている。また、ニマラタンとほぼ同素材の建材を用いる住宅の多くが全壊した状況の中で、ニマラタンは強風に耐えたということが報告されている。そこで本論文では、ニマラタン特有の形状である三角柱を横に倒した形状に着目し風洞実験を行い、その形状が有する空気力学的特性を明らかにすることで、被害発現風速の検討を行った。その結果、ニマラタンは屋根高さにおける10分間平均風速が20m/s程度の強風に耐えられることが明らかになった。