第55回日本脈管学会総会

講演情報

一般演題(口述)

CVT

2014年10月31日(金) 10:20 〜 10:52 第3会場 (202会議室)

座長: 渡部芳子(川崎医科大学 生理学1)

10:20 〜 10:52

[O-18-3] 当院のCVTによる脈管検査について

有高雅美1, 左古田悦子1, 本部弘美1, 河田順子1, 福田秀一郎1, 永禮裕子1, 住友泉1, 有高進悟1, 石田敦久2 (1.心臓病センター榊原病院 臨床検査科, 2.心臓病センター榊原病院 心臓血管外科)

キーワード:CVT, vascular

【はじめに】近年の高齢化や生活習慣病の増加に伴い血管疾患は増加傾向にあり,専門性を持った血管診療技師(CVT)の必要性は確実に高まっている。【現状】当院の2013年度の年間件数は血管超音波検査4123例,足関節-上腕血圧比検査(ABI)7957例,血管内皮機能検査(FMD)98例,皮膚灌流圧検査(SPP)385例,空気容積脈波検査(APG)283例となっており,これは血管外科外来開設時より飛躍的に増加している。【検査内容】外来でのスクリーニングから術前・術後の精査まで診療におけるすべての過程で携わっており,CVT認定者は様々な場面で専門性を必要とされている。特に超音波検査では,病変の早期発見や経過観察だけでなく,時には術前に専門医立ち会いのもと術式を考えたり,術後評価や合併症の有無など精査を行っている。また,シャント作成や静脈瘤手術などでは,手術前後の評価や術前マーキングなど重要な役割を担っている。さらに,当院は循環器病院であることから,経皮的冠動脈形成術や心臓手術件数が多く,カテーテルアクセスルートの観察や冠動脈バイパス前の大伏在静脈の状態確認などの検査も積極的に行なっている。【今後の展望】診療において脈管検査に求められることは確実に広く深く専門的になってきており,血管診療技師の育成とより専門的な診療支援が課題である。日常業務の中での習得が難しい現状であるが,脈管専門医の協力のもと他検査との所見の対比をすることで,各々の知識と技術の向上の研鑽に努めたい。