第55回日本脈管学会総会

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一般演題(口述)

下肢静脈瘤1

Fri. Oct 31, 2014 10:52 AM - 11:40 AM 第3会場 (202会議室)

座長: 諸國眞太郎(諸國眞太郎クリニック), 小川智弘(福島第一病院 心臓血管病センター)

10:52 AM - 11:40 AM

[O-19-3] 伏在型下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術の早期成績,特に合併症の検討

佐久田斉 (総合東京病院 血管外科)

Keywords:varicose vein, EVLA

【目的】下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術(EVLA)に出現により低侵襲治療が普及したが,従来のストリッピング手術では遭遇しない合併症が存在する。当院における伏在型静脈瘤に対するEVLAの早期成績,特に合併症を中心に検討した。【対象と方法】2012年7月以降,手術を施行した伏在型静脈瘤237例318肢のうち,EVLAを適用した233例313肢(98%)を対象とした。内訳は男性79例105肢,女性154例208肢,平均年齢68才。臨床分類はCEAP class2(213肢;68%),3(44肢;14%),4(50肢;16%),5(3肢;1%),6(3肢;1%)。GSV不全243肢,SSV不全70肢で,うち20肢(6%)は再発性であった。EVLAはTLA麻酔にて施行し,ELVeSレーザー(波長980nm)を使用した。照射出力10W,LEED(J/cm)は46~134(平均±SD 73±14)。298肢(95%)では瘤切(stab法)を併施した。平均入院期間1.2日(日帰り率86%)。術後48時間以内,1週目,1ヶ月目に診察およびエコー検査を実施した。【結果】EVLAの平均治療長はGSV34.6cm,SSV20.2cm,手術時間は16-76分(平均35±11)。DVTやPEの発症,術後の緊急入院例はなかった。GSV例の13肢(5.3%)にEHITを認め,うちclass2(5肢)に対しバイアスピリン,class3(1肢)にワーファリンを投与し改善した。神経障害4例(1%),皮膚炎など11例(4%),GSV例における大腿部皮下出血(50%超)を15例(6%)に認めたが,短期間に改善した。半年以内の早期再発(再疎通)を2例に認め,1例に結紮術を追加した。【考察】伏在型静脈瘤の大部分はEVLAで治療可能であり,その早期成績は非常に良好である。しかし,EHITや早期再発などの特有の問題があり,慎重な術後観察が必要である。また遠隔期成績に関しては今後の検討課題である。