第55回日本脈管学会総会

講演情報

一般演題(ポスター)

PAD1

2014年10月31日(金) 13:34 〜 14:10 第7会場 (第2練習室)

座長: 浅田秀典(独立行政法人国立病院機構京都医療センター 心臓血管外科)

13:34 〜 14:10

[P-23-6] 頸動脈疾患の病態と治療予後に関する研究

丹治直映1, 鈴木淳1, 金徳男1, 佐々木建1, 田端強志1, 高橋修1, 井山健二1, 片岡学1, 蓮沼絵里香1, 山田美奈1, 清水彩菜1, 守永幸大1, 杉山恵1, 長尾建樹2, 東丸貴信1 (1.東邦大学医療センター佐倉病院 臨床生理機能, 2.東邦大学医療センタ-佐倉病院脳外科)

キーワード:carotid endoatherectomy, carotid plaque

高度の頸動脈狭窄に対して頸動脈内膜剥離術(CEA)が広く行われているが,そのプラーク性状と予後について検討した研究は少ない。【対象と方法】対象は27例の内頸動脈狭窄部のCEAを受けた症例である(平均71.9歳,男性23例,女性6例)。全例内径50%以上の狭窄で,有症状と無症状のものがあった。【結果】12例において低輝度プラーク所見が認められ,そのうち3例はほとんどの部分が低輝度を呈した。全例6か月から1年のフォローで,再狭窄を生じた症例は無かった。また,3年までフォローした5例でも再狭窄は認められなかった。低輝度プラーク群12例では,フォロー時の内頸動脈平均最大プラーク厚は1.8mmであり,プラーク無しが2例であった。均一プラーク群17例では1.65mmでプラーク無しが3例にみられた。最高で面積65%(径で40%)の狭窄であり,ほとんどが面積狭窄率で25%以下であった。CEA後の血管の性状は全例均一か低輝度のプラークであり,新たな石灰化病変は認められなかった。内径面積狭窄度25%以上の8症例では,危険因子数は平均2.38±0.74,年齢は70±3.89であり,対象の2.5±0.89,年齢71.2歳と差はなかった。しかし,再肥厚例のうち6例では術前に低輝度プラークと石灰化を認めた。【結語】頸動脈内膜剥離術は頸動脈狭窄の治療に有用であり,その予後は極めてよい。また,病変部の性状は,再狭窄に影響を及ぼさないことが分かった。