コンクリート工学年次大会 2013(名古屋)

講演情報

第35回コンクリート工学講演会 » 塩害/耐久性一般/耐火性

[L78] 耐久性一般Ⅱ

2013年7月11日(木) 09:00 〜 10:30 第7会場 234号室 (名古屋国際会議場)

[座長(建築)]武田 浩二、[座長(土木)]渡辺 健

[L1115] 硫酸および硫酸塩によるコンクリートの化学的侵食に関する一考察

吉田 夏樹1,中山 健一2 (1.日本建築総合試験所,2.日本建築総合試験所)

キーワード:硫酸,硫酸塩,pH,硫酸イオン,二水セッコウ,エトリンガイト

コンクリートの硫酸劣化および硫酸塩劣化のメカニズムは区別して検討される傾向にあるが,実環境を考慮すると包括的な検討が必要と考える。本論文では,pHおよびSO42-濃度の異なる溶液にペースト供試体を浸漬させた結果から,硫酸の酸性度(pH)およびSO42-濃度を指標とした劣化メカニズムの概念を新たに提案する。SO42-濃度が低いと,劣化は無いまたは穏やかであり,pH2~3の強酸性でも同様である。pH3以上でSO42-濃度が高くなると,エトリンガイトの生成による劣化が主体となる。pH2~3以下でSO42-濃度が高くなると,二水セッコウを主体とする脆弱な層が生成し,硫酸と硫酸塩の作用で相乗的に劣化が激しくなる。
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