[1060] 遅延膨張性骨材を有したコンクリート橋のASR劣化事例の考察
キーワード:遅延膨張性ASR、DEF、促進膨張量試験、偏光顕微鏡観察、SEM観察・DEX分析
供用27年経過したポストテンション方式PC3径間中空床版橋の橋脚において最大ひび割れ幅2.0mmのひび割れが多数確認された。偏光顕微鏡観察およびSEM観察・EDX分析の結果,ひび割れの発生要因は,隠微晶~微晶質石英等の反応性鉱物による遅延膨張性ASRであると推定した。本橋では,劣化の著しい進展が見られたため,顕微鏡観察で確認されたひび割れ内部のエトリンガイト生成に着目してDEFの膨張確認として飽和Ca(OH)2浸漬法を実施したが膨張は示さなかった。損傷が著しく進展した要因としては,主に環境要因(水分供給),コンクリートの圧縮強度(密実性),細骨材のペシマム混合率が考えられた。