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[1A23P] POP手術における経腟超音波検査による術前癒着評価の有効性
キーワード:骨盤内癒着、経腟超音波検査、癒着スコア
近年、骨盤臓器脱手術において新たな術式が登場し、医師たちの関心が高まっている。これにより、骨盤像脱手術を導入する施設も増えているだろう。新しい術式を導入する際には、合併症のない安全な手術を行うことが最も重要である。そのためには、初期症例では比較的容易な症例を選ぶことが重要であるが、これまで子宮周囲の癒着を定量的に評価する方法は存在していなかった。そこで、私たちは骨盤内癒着を包括的に評価する方法である「Adhesion scoring system」を考案した。この検査法は経腟超音波装置のみを使用し、子宮と卵巣周囲の癒着の位置と重症度を推定する指標である。具体的には、子宮卵巣横断画像上の5領域と子宮長軸画像上の5領域の計10領域に分け、それぞれの領域で癒着の有無をスライディングサインという方法で測定し、最終的には10点満点で癒着の重症度を評価する。また、癒着の位置も評価することができる。この方法は本来子宮内膜症に対して行われるものであるが、骨盤臓器脱手術の患者にも適用可能である。例えば、ロボット支援下仙骨腟固定術や腟式子宮全摘術+全腟閉鎖、v-NOTEなどでは、ダグラス窩閉鎖や膀胱子宮窩閉鎖の存在が手術の難易度を大きく左右する。したがって、先の癒着スコア法を事前に行えば、そうした難易度の高い症例は他の術式に切り替えたり避けたりすることが可能となる。本稿では、この癒着スコアの有効性と実際の実施症例について報告する。