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[1A35P] 当科におけるvNOTES手技を用いた骨盤臓器脱手術の導入と成績
キーワード:NTR、腹式腹腔鏡手術、仙骨子宮靭帯固定
【目的】Vaginal Natural Orifice Transluminal Endoscopic Surgery(vNOTES)は低侵襲で整容性に優れた手術法として注目されており、従来の腟式手術では困難な付属器切除など骨盤上部の操作が可能となる。 本邦でもGelPOINT®V-Path(Applied Medical Japan社)が臨床使用可能となり、当院でも2021年より主に子宮脱手術に導入している。そこで現在までに経験したvNOTESの短期成績について評価した。 【方法】2021年10月から2023年3月までに実施された子宮脱に対するvNOTES症例を対象とした。【成績】対象症例は10例であり9例でvNOTESを用いた腟式子宮全摘術を実施した。1例は vNOTESで子宮摘出が実施できず、腟式子宮全摘術後vNOTESを行った。付属器切除は9例、卵管切除は1例で実施した。腟断端挙上手技としてmodifiedMcCall縫合を加えた症例が7例、Shull縫合を加えたものが1例、残りの2例はLeFort手術を行った。年齢中央値は73歳であり、腹部手術歴既往は5例、経腟未経産例はなかった。手術時間中央値は172分であり、出血量中央値は75mlであった。術中に腹腔鏡手術や開腹手術へ移行した症例や術中合併症はなかったが、術後3ヶ月以内にPOP-Q stage2の再発を2例で認めた。【結論】痛みも少なく患者満足度も高かった。助手とも視野を共有でき、腹部手術既往など従来腟式が困難な症例に対しても安全に手術できた。今後も症例数を蓄積しvNOTESの安全の検討、および適応症例の拡大に努めていきたい。