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[1B8P] インテグラル理論に照らした新規ペッサリーの役割
Keywords:インテグラル理論、骨盤臓器脱、新規ペッサリー
人口の高齢化に伴い女性の尿失禁、性器脱の症例は増加しつつある。これに伴い、尿道スリング手術や内視鏡下骨盤臓器脱手術、ロボット支援下仙骨膣固定術などが行われている。前回、第23回日本女性骨盤底医学会にて新型ペッサリーの開発につき報告した。今回、Peter Papa Petros 氏の「The Female Pelvic Floor」の邦訳である井上裕美、加藤久美子、嘉村康邦、関口由紀訳の「インテグラル理論から考える女性の骨盤底疾患」を参照し、アーチ形状を持つ新型ペッサリーの有用性の検討を目的とした。 骨盤底機能障害は主に骨盤底の懸垂靱帯の結合織の損傷によって引き起こされる。インテグラル理論による治療は「形態(構造)の修復は機能の修復につながる」という原理に基づく。骨盤の構造は吊り橋に喩えられ、その強度は懸垂するワイヤーの緊張によって維持される。すなわち筋力や筋膜、靱帯の緊張により維持される。構造のどの一部でも弱くなればバランスが崩れ全体の強度と機能が障害される。内視鏡下骨盤臓器脱手術、ロボット支援下仙骨膣固定術は体内よりワイヤーの役目を補強する手術で長期的な効果の持続が可能となる。アーチ構造を持つ新型ペッサリーは吊り橋の下方の筋膜をサポートするアーチ橋となり、骨盤の構造を一時的にではあるが下方より支持することにより修復し、機能の改善をする役割が期待される。