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[2B17P] 骨盤臓器脱のLSC手術前後における骨盤底筋弛緩の変化
キーワード:magnetic resonance imaging、H line(puborectal hiatus line)、M line(muscular pelvic floor relaxation line)
【目的】骨盤臓器脱(POP)患者では腹圧負荷時のMRIにてしばしば骨盤底筋弛緩が確認される。過去に我々は、安静時でもH-line(puborectal hiatus line)とM-line(muscular pelvic floor relaxation line)の有意な延長を認めたこと、およびTVM術後は術前と比べ有意な改善がなかったことを報告した。今回LSC術後における骨盤底筋弛緩の改善有無について検討した。 【方法】対象は当院でLSCを受け術後1年時のMRI撮影の同意を得たPOP患者。POP-Q stage 2以上の再発例は除外した。安静臥位MRI正中矢状断のH-line(恥骨下縁~肛門直腸角)とM-line(Pubococcygeal lineからH-line後側端への垂線)を測定し術前後で比較した。統計学的評価はWilcoxon符号付順位検定を用い、有意水準p<0.05とした。 【結果】症例は12例。メッシュ挿入は前壁のみ1例(後腟壁形成術併用)、前後壁11例。術前POP-Q stageは3:10例、4:2例。年齢:65.2(7.3)歳、身長:153.5 (5.3) cm、BMI:22.7(2.8)kg/m2(全てmean (SD))。H-line、M-lineの長さ[mm(SD)]はそれぞれ(術前vs.術後1年)、H-line:59.4(7.4) vs. 58.0(6.9)、M-line:23.0(5.8) vs. 22.9(5.8)で、両者とも術前と比較し有意な変化を認めなかった。 【結論】TVMと同様、LSC術後に再発なく1年経過しても安静時MRIでの骨盤底筋弛緩は術前と変化を認めなかった。