第55回(2024年度)日本看護学会学術集会

講演情報

口演

口演10群 看護職の確保・定着

2024年9月27日(金) 14:15 〜 15:15 第10会場 (中会議室C1+C2)

座長:吉村 浩美

[口演10-5] A病院の新人看護師採用活動における実践と考察

松本 沢子, 西村 摩里子, 坂田 香織, 牛島 久美子, 宮下 恵里 (済生会熊本病院)

【背景】A病院では、2010年度より新人看護職員研修ガイドラインに従い新人看護師研修を継続しており、毎年新人看護師の入職にあわせた教育研修プログラムを企画し、新人看護師の不安軽減と、学びの支援を実施している。採用活動においても同様で、安定した人員確保と同時に質の確保にも繋げる採用活動に取り組んでいる。【目的】採用活動の1つであるインターンシップ(以下インターンと略す)の実践報告と、その効果と課題を報告する。【実践内容・方法】①インターン実践内容と参加者・入職者数推移を集計した。インターン開催は、従来2月から5月にかけ平日と土曜合わせて30回前後行い、先輩看護師とのディスカッションの時間を確保し、施設見学、現場体験を行った。コロナ禍のインターンはオンライン開催し、先輩とディスカッションの時間を充実させ、病院説明動画などを活用、情報配信した。複数回参加も受け入れ、より現場感を高め就職後のイメージがつきやすい環境を整えた。②202X年度新人看護師68名へアンケート調査を行った。アンケートにて収集したデータは、今後の採用活動に活かすこと、研究で使用することをメールとアンケートに明記し、回答にて承諾とした。すべてのデータは個人が特定されないよう無記名回答とし、パスワード管理とした。A病院看護倫理審査会にて承認を受けた。【結果】インターンは毎年200名前後の参加者を受け入れており、入職者は80%以上を占めた。アンケートにて、就職選択理由の上位4項目は「高度急性期病院である」「教育体制が良いと感じた」「実習で来たことがあった」「インターンシップの印象がよかった」であった。アンケート対象者は、ほぼオンライン開催年度入職者であった。複数回参加者で「参加する度に違う先輩の意見が聞けて参考になった」「1回目の後に出た不安を2回目で解消した」などの回答を認めた。【考察】インターン開催にて参加者を受け入れ、複数回参加出来る環境を整えることで病院選択への不安解消につながっていると考える。また、施設内見学体験や先輩への質問にて入職後のイメージが出来、ミスマッチを防ぐ効果が考えられる。ミスマッチを防ぐことで離職率も減り、人材と質の確保に繋がると考える。また、先輩の存在は大きく、教育体制の充実や現場で働く先輩へ質問しやすい環境であること、アンケートにて実習経験があることも選択の理由につながっており、現場での交流や経験が就職選択に繋がっているのではないかと考える。【実践への示唆】積極的なインターン実施にてミスマッチを防ぎ、新人看護師が離職することなく、働きつづけられる環境作りにつなげる。臨地実習において指導者や学校の先輩との繋がりを大切にし、指導教員と協力しながら実習支援を継続する。