第55回(2024年度)日本看護学会学術集会

講演情報

ポスター

ポスター2群 能力開発・人材育成

2024年9月27日(金) 11:15 〜 12:15 ポスター会場 (展示ホール)

座長:佐々木 真由美

[ポスター2-4] A看護専門学校専任教員の研究活動推進する支援

-業務時間内の研究活動時間の導入-

中原 真弓 (厚木看護専門学校)

【緒言】「看護教員のどのキャリアでも研究能力の不足がある」1)とある。医中誌で過去10年(200X~202Y)の看護教員の研究活動の支援に関する研究は2件であった。A看護専門学校で研究を行っている看護専任教員(以下教員とする)は88%であり、この研究活動のほとんどが業務時間外に行われていた。これに対し、業務時間内に研究活動時間(以下研究時間とする)を毎月1回1時間設けた。研究活動を推進する環境を構築するため本研究を行う。【目的】研究活動の支援として組織的な研究時間確保を行ったことについて教員にアンケート調査を行い、研究活動促進につながったか明らかにする。【方法】研究方法は量的質的研究とし、対象は教員19名。研究期間:202Y年10月~202Y年12月。データの収集方法は、インターネットによるMicrosoftForms®を使用し個人の特定ができない設定で回答を得る。内容については、研究熟達者3名にプレテストを行い、吟味した。研究時間の活用の有無とその理由、感想について回答を得た。分析方法は、研究時間活用の有無は単純集計し自由記述内容を文脈に留意しながら1文1意味データをコード化、カテゴリー化し分析する。分析は信頼性妥当性を図るため、研究熟達者に再検した。倫理的配慮として、対象の自由意志の尊重、利益・不利益のないこと。個人情報の保護に努める。対象には研究の目的と方法を伝え研究協力依頼承諾はアンケートの提出を同意とした。以上の点について文書と口頭で説明を行う。本研究についてはA学校の倫理委員会の承認22B4を得る。本研究への利益相反はない。【結果】202Y年度、研究を行っている教員は100%であった。研究時間に関してアンケート調査し回収は15名回収率78.9%、有効回答率100%であった。アンケート結果では「活用できている」53%「できていない」47%で、それぞれの主な理由の得られた総数は19コードで(以下、コード数)できた理由の多数回答は「時間が設定され集中できた。(8)」できなかった理由の多数回答は「優先順位が他の業務を優先してしまった。(5)」とその他であった。研究時間に対する意見は26コードで、肯定(23)で「集中できた。研究が進められた。共同しやすい。」等であった。課題としての意見(3)で「他の業務と研究時間の切り替えが難しかった。」等であった。【考察】研究時間の活用ができていないと約半数の回答であるが、研究時間へは肯定的な意見がある。業務時間内の研究時間確保は、研究が業務の一環であると示し、教員の認識へ働きかけた。また、全教員同時間の研究時間が共同研究者と研究を進めるにあたり有用された。さらに勤務中に研究することの懸念も払拭、集中し取り組めた。その為、研究への取り組みが促進され役立ったと考える。課題としては、時間と意識の切り替えや研究時間の定着が必要である。【結論】業務時間内の研究時間の確保は、肯定的に捉えられ活動を促進する。