第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

Presentation information

交流集会

交流集会5 中小規模病院における施設内教育の充実に向けた取り組み

Wed. Nov 9, 2022 12:40 PM - 1:40 PM 第2会場 (国際会議室)

座長:木澤 晃代

講師:渡邉 ひろみ・浅田 孝章

[KR5-1] 日本看護協会オンデマンド・オンライン研修を活用したラダーに基づく教育体制の構築

渡邉 ひろみ (寒河江市立病院総看護師長)

【抄録】
 2015 年に日本看護協会より「いのち・くらし・尊厳を守り支える」看護の将来ビジョンが表明されました。そして 2016 年に日本看護協会があらゆる場におけるすべての看護師に共通する看護実践能力の指標として「看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)」(JNA ラダー)を公表しました。
 寒河江市立病院は山形県のほぼ中央に位置し、病床数 98 床(一般病床 56 床、地域包括ケア病床 33 床、療養病床 9 床)、職員数 190 名、看護師数 75 名の小規模自治体病院です。
 当院は高度急性期を退院した患者を地域に帰す役割を担い、入院患者は高齢の心不全、肺炎、骨折等の治療を目的とする方が多く、認知症を有する方もいます。
 看護科の理念を「患者の尊厳を大切に、患者に寄り添い地域につなぐ看護を提供する。」とし、教育理念に「社会のニーズに応えられる専門職として個々人の能力を十分に発揮させる。」を掲げ、 2017 年より JNA ラダーを導入し、人材育成に取り組んでいます。
 当院のキャリアラダーは 1.「看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)、活用のための手引き」をもとに自施設オリジナルの実践例を検討するという方法で作成。2.教育計画は「JNAラダー到達のための学習内容」を活用、レベル毎、知識として何を必要とするのか、実践 OJTはどのような実践能力が必要なのかを参考に作成しました。各教育レベルの対象者が全員必要とされる知識と実践能力を共通認識できるための研修方法として、日本看護協会・オンデマンド研修を活用し教育計画を作成しています。
 オンデマンド研修は、JNA ラダー到達のための学習内容に沿っているので、そのまま教育計画に組み込むことができます。加えて著名な講師による、知識と実践例としての事例展開を学ぶことができます。事例の学習では自分達にできていること、足りないことは何かを考えるきっかけとなり、事例を振り返り、看護実践に繋げる事ができるのはこの研修の大きな価値と考えます。
 また当院は高齢の方や認知症を有する方が多いことから倫理は大変重要と考えます。事例では 倫理の内容も多く含まれているので、教育効果は大きいといえます。