都道府県看護協会公募企画④：大阪府 経験と勘に基づくケアから科学的エビデンスに基づくケアへ変換！！

[LK4-2] ケアの質向上を目的としたエコー導入の実際

～看護管理者の立場から～

坂田 薫 (京都民医連中央病院看護部長／皮膚・排泄ケア認定看護師)

【抄録】
　京都民医連中央病院は 411 床の、急性期入院一般料１、ハイケアユニット、緩和ケア、回復期機能を有するケアミックス病院である。当院の看護師から「処置に追われてケアができない」という発言をきっかけに、看護管理者として、看護師が自らの看護実践を「処置」と表現する現状から脱し、ケアの質に拘る体験をするスキームが必要だと考えた。
　そこで 2020 年、皮膚・排泄ケア認定看護師のリーダーシップのもと、看護師によるワイヤレス超音波画像診断装置（以下エコーとする）の活用による、排便ケアの質向上に取り組んだ。エコーを活用することで排便ケアの苦痛が軽減されることを目的に、排便ケアのフローチャートを作成し、実践事例のカンファレンスでケアを共有した。また臨床検査技師による技術支援もあり、現在はすべての病棟で看護師の排便ケアへのエコーが活用されている。エコー購入までの経緯も含めて、当院におけるケアの質向上を目的としたエコー導入の実際を報告する。