第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

Presentation information

ポスター

ポスター1群 在宅療養移行支援①

Tue. Nov 8, 2022 11:30 AM - 12:30 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:村松 裕子

[ポスターM-1-1] 退院指導に対しての現状調査と意識向上への取り組み

-脳卒中生活指導パンフレットを使用して-

前田 朋弥1, 石垣 恭子2 (1.佐世保中央病院, 2.兵庫県立大学大学院応用情報科学研究科)

Keywords:脳卒中、実施率の向上、退院指導

【抄録】
【目的】退院指導について現状調査、質問紙調査を行い、退院指導に対しての担当看護師の意識の向上を目指す。【方法】対象はA 病棟看護師19 名、調査期間は令和3 年4 月~令和3 年12 月、調査項目は退院指導の現状に関する実施率、指導時間、指導内容などの項目。意識に関する指導のタイミング、指導の対象者などの項目を質問紙にて調査。退院指導の実施状況は電子カルテにて確認した。介入前後の分析にはχ2 検定、対応のあるt 検定を実施。【結果】調査を行った19 名のうち5 名は退院指導の経験がなかったため14 名のスタッフへ指導介入前後で評価を行い、退院指導を実施したと言う回答(介入前後100%)、退院指導パンフレット使用状況(介入前後100%)、退院指導対象疾患の理解(介入前13人:92%、介入後100%)、指導の時間帯について(介入前:時間内6 名、時間外8 名、介入後:時間内7 名、時間外7 名)などを調査しχ二乗検定を実施したがどれも有意差を認めなかった。退院指導について知識確認のためテストを行い、退院指導のスタッフ指導介入前後で比較を行った。スタッフ指導介入前が平均56.64 点、介入後93 点と上昇がみられた。対応のあるt 検定を実施しt 値8.58(P< 0.001)で優位差を認めた。退院指導についてのスタッフ指導介入前では退院指導記録記載率が4 月は50%、5 月は47%、6 月73%、7 月は53%であった。退院指導介入後では、8 月は57%、9 月は72%、10月は45%、11 月は58%、12 月は47%であった。【考察】時間外で退院指導を行っているスタッフもいることから、日常業務に追われ退院指導や指導後の記録の時間を確保できていない状況や、退院指導後に看護記録を残すと言う病院全体の決まりがない事も、記録の記載率が低い要因と考える。電子カルテへの退院指導後の記録率が介入直後の6 月、9 月のみ70%となっておりスタッフの指導や退院指導についての啓蒙を行ったことが退院指導後の記録を残す意識の向上に繋がったと考える。コロナ禍で、面会の制限や担当看護師が不在もあり、家族への退院指導が不十分な状況も考えられる。早期に介入し個別性を重視した指導ができるよう取り組むことが重要。また、継続した指導の実施、看護記録についてスタッフへ啓蒙し、退院指導及び記録の定着を目指したい。