第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

ポスター

ポスター13群 看護職の業務に対するモチベーション

2022年11月8日(火) 15:30 〜 16:30 ポスター会場 (国際展示場)

座長:村田 誠幸

[ポスターM-13-3] 病棟看護師の属性がバーンアウトに与える影響

鶴ケ崎 布枝, 山田 沙耶香, 成田 優子, 鈴木 ひろみ, 山下 慈, 本堂 郁子 (青森県立中央病院)

キーワード:病棟看護師、バーンアウト、ストレス

【抄録】
【目的】病棟看護師の属性がバーンアウトに与える影響を明らかにする。【方法】2021 年12 月にA 施設の病棟看護師を対象に、看護師の属性、日本版バーンアウト尺度(久保,1998、以下バーンアウト尺度)を調査した。バーンアウト尺度は、情緒的消耗感(5 項目)、脱人格化(6 項目)、個人的達成感の低下(6 項目)の3 下位尺度からなり、5 ~ 1 点の5 件法で情緒的消耗感と脱人格化の得点が高い程、個人的達成感の得点が低い程バーンアウトの傾向が強いことを示す。分析は記述統計、及び t 検定、Pearson 相関分析を行った。【結果】468 名に配布し276 名から回収(回収率58.9%)し、その内252 名を有効回答とした(有効回答率53.8%)。対象の属性は、平均年齢34.7(± 8.5)歳、性別は女性234 名と92.9%を占めた。平均所属年数は2.7(± 3.0)年、既婚者は134 名(53.2%)、子ども有りは112 名(44.4%)、夜勤有りは235 名(93.9%)であった。既婚とバーンアウト尺度間では脱人格化(p< .05)で有意差を認め、平均値は既婚有2.2(± 0.8)vs 既婚無2.5(± 0.8)と既婚無が高かった。また、子どもとバーンアウト尺度間では、情緒的消耗感(p< .01)と脱人格化(p< .001)で有意差を認め、平均値では情緒的消耗感は子ども有 3.5vs 子ども無 3.9、脱人格化は子ども有 2.1vs 子ども無 2.5 といずれも子ども無が高かった。Peason 相関分析では、所属年数とバーンアウト尺度の下位尺度間では情緒的消耗感r= - .231(p=.000)、脱人格化 r=-.134(r=.034)、と弱い負の相関を認め、個人的達成感r = .045(p= 0.479)と相関は認めなかった。年齢とバーンアウト尺度の下位尺度間では相関性は認めなかった。【考察】先行研究同様、本研究でも既婚者または子ども有りの看護師がバーンアウトの得点が低いことが明らかになった。一方で、本研究では年齢とバーンアウトの得点には相関性はなく、配属年数とバーンアウトの得点に弱い相関を認めた。これは年齢に関係なく、人間関係や知識・スキル等新しい環境へのストレスが影響していると考える。年齢に関係なく、所属部署変更の際には同僚や上司からの支援や教育支援が必要と考える。