第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

ポスター

ポスター16群 健やかに生まれ・育つことへの支援

2022年11月9日(水) 09:30 〜 10:30 ポスター会場 (国際展示場)

座長:髙松 いと子

[ポスターM-16-1] 小児レスパイトを利用する家族へのインタビューに基づく現状の看護ケアの検討と課題

幸田 瑞帆1, 髙砂 侑里1, 長井 千恵1, 中木 里美2 (1.大和高田市立病院, 2.姫路大学看護学部)

キーワード:医療的ケア児、レスパイト、重症心身障がい児、インタビュー

【抄録】
【目的】重症心身障がい児の患者家族が安心してレスパイトを利用するために、現状の看護ケアについて家族から意見や要望の聞き取りを行い、今後の課題を明確にする。【方法】小児レスパイトを利用している重症心身障がい児の家族へインタビューガイドをもとに半構造化面接を行い、質的記述的に分析をした。対象者は母親3 名で、どの利用者にもきょうだいがいた。インタビュー内容としては現状の看護ケアを踏まえて、「家族が求める児への関わり(タイムスケジュール、入院中の希望、声掛け)」「家族への情報提供(入院中の児の様子を記載した一日の様子ノート)」「児の療養環境(テレビモニター設置、ドアを開放したまま)」「児を預けることに対する家族の思い」の聞き取りをした。インタビューは個室で行いプライバシーに配慮した。【結果】関わりでは「タイムスケジュールは自宅と変わりない」「家でも車椅子に乗っているのでここでも乗せてくれて嬉しい」「遊びの延長でリハビリをしてほしい」「話しかけてくれて嬉しい」であり、情報提供は「一日の様子が分かるので続けてほしい」「睡眠時間を知りたい」であった。療養環境は「安心安全のほうが大事なのでそのままで大丈夫」「そのほうが安心」であり、家族の思いは「とても休息できている」「きょうだいと関わる時間を作れた」「どうしているのか気になり不安になる」であった。【考察】児への関わりではリハビリの要望があったが、それ以外は家族の求める関わりとなっていた。そのため、今後も現状の看護ケアを継続しながら、リハビリや遊びを取り入れたケア内容の検討をすることが必要である。また、一日の様子ノートを退院時に渡すことで家族へ情報提供を行っているが、ノートの記載内容がスタッフによって異なっていたことが分かったため、夜間の様子も記載できる内容に変更していくことも必要である。療養環境では、安全に配慮した環境調整であり家族が安心できていることがわかった。児を預けることに対する家族の思いからは、本来のレスパイト利用目的を果たすことができていただけではなく、きょうだいと関わる時間も確保することができていた。しかし、児の様子が気になり不安もあることから入院中に児の様子を電話で伝えていくことも必要であると考える。今後の課題としては現状の看護ケアにリハビリの追加を検討し、情報提供の方法を統一していくことが明確となった。