第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

ポスター

ポスター34群 看護教育~基礎教育~

2022年11月9日(水) 15:30 〜 16:30 ポスター会場 (国際展示場)

座長:髙𣘺 久美

[ポスターM-34-2] 看護大学生のやせ願望と自己肯定感の関連

高橋 智美1, 永井 ひかり2, 中嶋 可菜子3 (1.上武大学, 2.鹿教湯病院, 3.長野中央病院)

キーワード:看護大学生、BMI、やせ願望、自己肯定感

【抄録】
【目的】健康教育の一助として,看護大学生のやせ願望と自己肯定感の関連を明らかにする.【方法】学年,性別,実測BMI,理想BMI,体型受容,近親者の体型,体型変化希望に関する理由,自己肯定感を測定する質問紙への回答を無記名で求め,提出をもって同意とした.分析はt 検定及び多重比較,テクストデータは類型化を実施した.また本研究では「やせ願望とは,実測BMI の値より理想BMI の値が小さいこと」と操作的定義をした.尚,本研究は,筆者らが所属する施設の倫理審査を受審し,承認(第21 - S21 号)を得て実施した.【結果】実測BMI 平均値が21.5,理想BMI 平均値が20.1 であった.体型を全くもしくはやや受容できないものが39.6%,やせ願望を持つ者が68.3%であった. やせ願望は女性がp < 0.05,4 年生がp < 0.05 の水準で多かった.やせ願望と近親者の体型の関連について,性別では有意差がなかったが,学年別ではやせ体型の存在にp < 0.01 の水準で関連がみられた.やせ願望を持つ理由として26 コードが抽出され,[ 健康願望],[ 肥満の危惧], [ スタイルアップ願望],[ おしゃれ願望],[ 他者評価に対する思慮],[ 自己肯定感の向上] の6 サブカテゴリ,《健康回復・維持・向上》,《自尊感情の向上》の2 カテゴリに分類された.自己肯定感とやせ願望の関連では,やせ願望を持つ者より持たない者は全体がp < 0.01,男性がp < 0.05,女性がp < 0.01,4 年生がp < 0.05 の水準で自己肯定感が高かった.【考察】男女ともに実測BMI より理想BMI の方が低く,先行研究と同様であった.やせ願望を持つ理由の中にスタイルアップやおしゃれ,他者評価が挙がったことから周囲の影響を受けて見た目を気にしていることが考えられる.また身近に肥満体型の者がいると,あの人のようになりたくないという否定的な感情が生じてやせ願望を持つ.先行研究同様に,周囲に影響されることで自分の体型を顧みる機会を得て,自分の体型に抱く不満が高くなっている.一方で健康願望や肥満の危惧,自己肯定感が理由に挙がり,看護学生として授業実習で学んだ過度なやせが及ぼす影響を理解していたことが伺える.看護職を目指す看護大学生は自己肯定感が高いことが望ましい.自身の体型を肯定的に受容できるように健康教育を実施し,自己肯定感を高めるように介入していく必要がある.