第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

ポスター

ポスター34群 看護教育~基礎教育~

2022年11月9日(水) 15:30 〜 16:30 ポスター会場 (国際展示場)

座長:髙𣘺 久美

[ポスターM-34-3] 小児看護学実習でリフレクションを通して得られた学生の気づき

緒方 仁美, 黒田 史彦, 手戸 邦江 (いわき市医療センター看護専門学校)

キーワード:小児看護学、臨地実習、リフレクション、気づき、看護学生

【抄録】
【目的】小児看護学実習で行う、看護師とのリフレクションから得られた学生の気づきを明らかにする。【方法】対象:A 校の学生20 名。期間:2021 年7 ~ 11 月。小児看護学病棟実習は、患児受持4 日、看護師シャドウイング(以下同行実習と略す)2 日の計6 日とした。学生自身が1日の実習時間の終わりに、印象に残った場面を選択し、その内容を題材に看護師とリフレクションを行い、考えをまとめ、気づいたことを実習記録に記載した。データは実習記録よりリフレクションより得られた気づきの記述を抜粋し、コード化、サブカテゴリ、カテゴリ化した。看護師とのリフレクションに要した1回の時間は、質問紙調査し単純集計した。対象者に目的、自由意思での参加、評価に影響しない、個人情報保護、研究発表することを説明し、書面で同意を得た。【結果】20名の同意を得た。質問紙回収率100%。看護師とのリフレクションに要した平均時間は、受持実習3.69 分、同行実習2.73分であった。学生の気づきは受持実習152、同行実習39 の計191 コード、45 サブカテゴリ、16 カテゴリを抽出した。カテゴリは「子どもには発達段階ごとの身体的・精神的特徴がある」「発達段階に合わせて援助や会話を工夫する」「子どもとの関係性を築く過程がある」「子どもの安全を守る」「子どもの権利を守る」「子どもの自立を促す」「子どもの意欲を引き出す」「子どもには入院に伴う不安がある」「子どもには援助を嫌がる理由がある」「子どもの緊張を和らげる工夫をする」「子どもに関わる時は状態や反応に気を配る」「遊びを援助に生かす」「家族の協力を得て子どもに関わる」「家族にも支援する必要がある」「子どもと家族の気持ちは相互に影響する」「外来看護と連携する」であった。受持実習、同行実習ともに、学生は発達段階に合わせた援助や子どもの権利、家族支援の必要性等についての気づきがあった。【考察】子どもと接する機会が少ない学生は、看護師とのリフレクションにより既存の知識と子どもの言動を結びつける機会となり、子どもの発達段階ごとの特徴や精神的側面、家族との関りの大切さに気づいたと考える。そこから、子どもへの援助方法や家族支援への気づきが広がったと考える。リフレクションは、自己や看護師の言動の意味づけとなり、小児看護の基盤となる子どもの権利についても考える機会となった。