第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

ポスター

ポスター5群 治療・検査に伴う看護

2022年11月8日(火) 11:30 〜 12:30 ポスター会場 (国際展示場)

座長:城尾 恵子

[ポスターM-5-3] 大腸内視鏡検査を受ける患者へのパンフレット作成を試みて

-安心、安全な検査を目指して-

粕谷 里美, 寺崎 美保, 田中 麻紀, 牧野 桂子, 神原 洋子 (日進おりど病院)

キーワード:理解度、パンフレット、検査説明

【抄録】
【目的】A 病院における内視鏡検査は年間約3000 件であり、そのうち大腸内視鏡検査は1000 件である。大腸内視鏡検査の説明は説明内容が多く、不安を抱きやすいとされている。外来受診時の短い時間に説明用紙を用いて検査の流れや前処置、食事等の注意事項を説明しているが、患者の大半が高齢者であるため十分理解ができているか、不安なく検査に望めているか疑問であった。そこで検査説明の実態を把握し、理解しやすいパンフレットの作成を試みた。【方法】大腸内視鏡検査を受ける患者55 名、外来看護師27 名に対して自主作成した質問紙によるアンケート調査を行い記述統計を行った。現在使用している説明用紙を用いた説明で患者の理解度、不安を把握する。説明を実施する外来看護師の大腸内視鏡検査の知識、理解度を把握することでどのような内容のパンフレットの作成が良いかを明らかにする。調査結果に基づいて理解度が低かった項目を含むパンフレットを作成した。【結果】患者アンケートでは、年代別と経験別に4 項目の内容で理解できたかどうかのアンケートを実施した。対象者の年代は20 代から70 代。50 代の割合が29%で最多。50 才以上が占める割合は58%であった。理解ができていない項目は検査までの飲食について、ポリープ切除についてであった。看護師アンケートでは大腸内視鏡検査の介助経験のないスタッフは44%。経験があるスタッフに対して経験がないスタッフはポリープの切除について理解してない割合が47%、検査の説明に苦手意識がある割合は80%であった。予想に反して患者の検査に対する漠然とした不安は5%であった。【考察】この結果をもとにパンフレットを作成することで看護師の内視鏡経験や苦手意識にかかわらず患者がより安心、安全に検査に望めるような検査説明を行っていくことが必要である。患者アンケート、看護師アンケートで特に理解度が低かった項目に重点を置き内容の改善を行った。今回はパンフレット作成までにとどまったが作成したパンフレットを使用して検査説明を行い、患者、スタッフの意見をもとにより充実した内容に改善していくことが今後の課題である。