第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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ポスター

ポスター8群 疾病とともに暮らすことへの支援②

Tue. Nov 8, 2022 2:00 PM - 3:00 PM ポスター会場 (国際展示場)

座長:千田 睦美

[ポスターM-8-3] 心不全患者の退院後の実態調査

-退院後電話連絡を実施して-

鳥飼 宏美1, 舩崎 このみ1, 小楠 文佳1, 緒方 仁1, 山口 奈巳子1, 竹内 睦美 1, 荒木 望1, 石垣 恭子2 (1.佐世保中央病院, 2.兵庫県立大学大学院応用情報科学研究科)

Keywords:心不全、高齢化、電話連絡、自己管理、退院後訪問

【抄録】
【目的】退院後電話連絡を実施し、生活状況と再入院との関連について明らかにすることで、患者のセルフモニタリングの状況を把握し退院指導と継続した退院後の支援ができる。倫理的配慮:A病院の倫理委員会の承認を得て情報管理に注意し研究を行った。【方法】2020 年4 月から2021 年3 月までの心不全で入院した患者の看護記録を生活状況に関する項目や症状などの項目別に振り分け、基本情報・内服・自覚症状・他者の介入の有無に関するデーターのχ2検定をおこなった。【結果】心不全患者の研究対象期間内入院数は280 名、初回A 病院受診を目途に看護師より患者へ電話連絡が実施でき、記録記載がある患者55 名を抽出した。平均年齢は81.0 歳、再入院が16%であった。電話項目の自覚症状と再入院で検定を実施し、関連が認められた。体重測定と浮腫の有無で関連があるか検定をしたところ、有意差を認め関連が認められた。年齢を75 歳以下と75 歳以上で検定を実施し同様の結果が得られ、浮腫は全ての年齢において自覚症状としてとらえることが出来ているという結果となった。体重測定を実施している患者で浮腫が認められている人はいなかった。呼吸困難と再入院においては関連性が高い結果となった。【考察】A 病棟の心不全患者の平均年齢は81 歳であり、全国高齢化率28.1%と比較するとB 市の高齢化率が31.7%と高く、セルフモニタリング持続が困難な環境が背景にあると考えた。自覚症状が電話連絡の時点で確認されていれば、再入院につながる可能性が高い。体重測定と浮腫では、体重測定を実施し、セルフモニタリングができている患者には浮腫は出現しておらず、体重管理が出来ていると考えられた。呼吸困難は再入院と関連があることが認められ、心不全の急性増悪である呼吸困難を電話連絡時に確認できれば、重篤な状況を回避し、受診の促しができたのではと考えた。現在電話連絡での退院支援を中心とし、退院後2 週間を目途に1 回のみの電話連絡を実施している。また、患者の状況に応じて看護師による退院後訪問も実施している。継続した看護を行うため外来との情報共有を行い、引き続き退院後の電話連絡・退院後訪問による退院支援を行う必要があると考える。今後は電話連絡・退院後訪問を実施後の患者の心不全セルフケアの変化についても調査し多職種で介入できるよう、システム構築を行っていきたいと考える。