第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

口演

口演12群 看護教育~教育方法~

2022年11月8日(火) 15:30 〜 16:30 口演会場4 (102)

座長:木下 千鶴

[口演M-12-3] 緊急帝王切開術時のNCPR 実践における不安

- NICU 版クリニカルラダー各レベルの比較-

阿左美 まゆ美, 森田 愛有美阿, 末次 由貴子, 遠田 里美 (桐生厚生総合病院)

キーワード:NICU 版クリニカルラダー、NCPR、緊急帝王切開術、不安

【抄録】
【目的】近年、A 病院は緊急帝王切開術数が減少している。NICU 経験の浅い看護職は、新生児蘇生(以下、NCPR)実践に不安を感じている。緊急帝王切開術時のNCPR 実践における不安レベルとNICU 版クリニカルラダー各レベル(以下、ラダー)の関係について調査し、継続学習への今後の課題を明確化する。【方法】対象:B 県内在胎32 週未満の新生児受け入れ可能5 施設のNICU 看護職100 名。方法:「一般社団法人日本蘇生協議会NCPR スキルアップコース自己チェックシート」を基に作成した7 ブロック104 項目の調査票を使用。NICU 経験年数でラダーを分類。分析:ラダー1、2 をA 群、3 ~ 5 をB 群とし、単純集計及びMann-Whitney U 検定統計処理を実施。倫理的配慮:A 病院臨床倫理審査委員会の承認を得た。個人の特定、不利益等生じない事を書面説明し、同意を得た。【結果】A 群14 名、B 群27 名、有効回答41%。有意差項目の占める割合は1出生時の評価80%、2 初期処置の評価100%、3 人工呼吸78%、4 胸骨圧迫57%、5 薬剤投与38%、6CPAP/O238%、7 気管挿管80% であった。不安レベルの平均値は、両群高い方から5 薬剤投与、4 胸骨圧迫、7 気管挿管、3 人工呼吸、6CPAP/O2、1 出生時の評価、2 初期処置であった。未経験者は、1出生時の評価:A 群7%、B群2%、2 初期処置の評価:A 群11%、B 群5%、3 人工呼吸:A群32%、B 群17%、4 胸骨圧迫:A 群64%、B 群32%、5 薬剤投与:A 群52%、B 群36%、6CPAP/O2:A 群20%、B 群5%、7 気管挿管:A 群14%、B 群7% であった。【考察】医学的処置の難易度が低い処置は両群で不安レベルは軽度。しかし、未経験者も多い胸骨圧迫や薬剤投与は両群で不安レベルが強度。不安レベルは難易度が低いとラダー間の差を認め、高いとラダー間の差は認めない傾向がみられた。難易度の高い処置は、実践回数が不安レベルを左右する一因と考える。気管挿管は難易度が高い処置であるが、医師の介助のみで機会も多い。その為、ラダー間の差を認めたと考える。NCPR実践機会の多い看護職は、技術を身につけていく事が可能であるが、機会の少ない看護職は知識や技術を徐々に失っていく可能性がある。不安レベルが強度な項目を重点に個人及びチームで継続学習する事が今後の課題である。