第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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口演

口演16群 新型コロナウイルス感染症下の看護~面会制限下の患者・家族への対応~

Tue. Nov 8, 2022 11:30 AM - 12:30 PM 口演会場6 (104)

座長:北野 貞

[口演M-16-1] テレビ電話面会導入に伴う看護師の業務負担の増減について

-精神的・業務的負担の増減について検証-

森 友美, 寺尾 里菜, 小笠原 梨乃 (上尾中央総合病院)

Keywords:テレビ電話面会、看護師、家族、業務負担、COVID-19

【抄録】
【目的】テレビ電話面会をすることで、看護師の業務負担が増減するかを明らかにする【方法】1.研究期間:2021 年3月~ 2021 年8 月。2.研究対象:2021 年3 月の時点でA 病院キャリアラダーレベルⅢのICU スタッフ11 人。3.対象看護師に業務負担や意見に関して、テレビ電話面会導入前・3 か月後・6 か月後にアンケート調査を実施。4.アンケート内容ではそれぞれ精神的負担・量的業務負担に関する内容を提示。5. 量的研究。倫理:上尾中央総合病院の倫理委員会で承認を受けた(受付番号869)研究の趣旨を対象看護師に文書で説明し協力を得た【結果】アンケート調査を実施し、全てを分析対象とした。⑴家族とのコミュニケーションによる精神的負担は感じるか。導入前「感じる」27%、3 ヶ月後30%、6 ヶ月後22%。⑵面会に関する家族への説明業務に負担を感じるか。導入前「感じる」18%、3 ヶ月後10%、6 ヶ月後11%。⑶面会での環境調整に負担を感じるか。導入前「感じる」9%、3 ヶ月22%、6 ヶ月後11%。⑷面会に対応する時間について業務負担と感じるか。導入前「感じる」36%、3 ヶ月後12%、6 ヶ月後22%。⑸患者の病状変化や家族の事情による面会時間の変更・対応は負担か。導入前「感じる」36%、3 ヶ月後12%、6 ヶ月後0%。自由記載で「患者・家族からのポジティブ意見を聴ける事ができ、この取り組みがあってよかった」等の意見があった。テレビ電話面会導入前後で有意差はなく、業務負担を感じる看護師は減少する結果となった。【考察】面会制限がある状況下で患者・家族を会わせたいという看護師のジレンマがあった。設問(1)の精神的負担に関しては、導入前後で有意差は認めなかった。しかし、自由記載でポジティブ意見が複数きかれたことから、不全感が解消されることで看護師の充実感が向上したと推察する。設問(2)~(5)の業務負担に関しても有意差を認めなかった。事前に資料作成・システム構築したことにより円滑に業務ができ、経験を重ねることで、業務負担感の増加に繋がらなかったと推察する。それらの事を踏まえると、テレビ電話面会を導入し看護師の量的業務負担が増加しても、充実感を得られ精神的負担が軽減すると結果的に量的業務負担を感じにくくなり業務負担を感じる看護師は減少したと推察する。