第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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口演

口演18群 新型コロナウイルス感染症下の看護~変化する患者・家族のニーズへの対応~

Tue. Nov 8, 2022 3:30 PM - 4:30 PM 口演会場6 (104)

座長:皆本 美喜

[口演M-18-3] COVID-19 蔓延前後の外来受診の際に患者が抱く気持ちや行動の変化

田阪 春奈, 中来田 愛美 (川崎幸クリニック)

Keywords:COVID-19、気持ち、外来受診、行動の変化

【抄録】
【目的】COVID-19 蔓延後で外来受診患者の外来受診率が減少し、外来受診において不安があり、気持ちや行動に変化が起きていると推測した。患者が安心して通院し、治療を継続できる環境を引き出す働きかけが必要であり、蔓延前後での外来受診の際に患者が抱く気持ちと行動の変化を明らかにする。【方法】A クリニックに通院する患者を対象に令和X 年X 月からY 月の間に受診した患者を無作為に抽出し、蔓延前後での外来受診に対する気持ちや行動の変化についてのアンケートを行った。アンケート結果は漏洩せず研究目的以外に使用しないことを保障し、質問紙の回答をもって同意を得たと判断した。蔓延前後の不安と属性、行動の変化について、χ2検定を用いて検討した。有意水準はP < 0.05 とした。【結果】対象者571 名、有効回答401 件であった。外来受診に対する不安について、蔓延前は全く思わない111 名28%、あまり思わない151 名38%、どちらとも言えない76 名19%、そう思う49 名12%、非常にそう思う14 名3%であった。蔓延後は全く思わない28 名7%、あまり思わない112 名28%、どちらとも言えない75 名19%、そう思う153 名38%、非常にそう思う33 名8%。属性ごとに分析した結果、蔓延前後ともに男女では受診する際の不安に有意差がみられた。残差分析の結果、蔓延前では男性が全く思わないが有意に多く、蔓延後では女性がそう思うが有意に多かった。行動の変化では、感染症に関してメディアの情報が気になる、医療者の感染対策が気になる、手洗いや手指消毒を受診時にこまめに行っている、自分の健康を意識し受診回数を減らす努力を行っているの項目で有意差がみられた。【考察】COVID-19 蔓延前後では、蔓延後に不安があるという回答が多く受診に対して不安を感じている事が明らかとなった。行動の変化では、蔓延後に感染症に関してのメディアの情報が気になる、手洗いや手指消毒を受診時にこまめに行っている事が有意に高く、患者自らが情報収集し感染対策を行うよう行動に変化が出ているのが分かった。受診に不安を感じているが、必要な受診を行い自分の健康を守ろうという行動がみられた。医療者の感染対策が気になる事への割合が高く、医療従事者の感染対策のスキルを上げていく事や感染対策の可視化を行い患者に安心して通院や治療を継続できる様に努める必要がある。