第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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口演

口演22群 重症化予防

Wed. Nov 9, 2022 9:30 AM - 10:30 AM 口演会場1 (302)

座長:大柴 幸子

[口演M-22-2] 循環器外来における未受診患者の要因と分析に関する研究

井手之上 涼子, 内薗 真矢, 德永 志保, 尾辻 真由美, 田上 さとみ (鹿児島医療センター)

Keywords:循環器外来、受診行動、未受診患者

【抄録】
【目的】A 病院は20 の診療科を有する急性期病院であり、循環器科外来ではかかりつけ医からの紹介で専門的フォロー依頼や、胸部圧迫感、動悸、息切れ等放置しておくと生命を脅かす慢性期の患者が多く通院している。未受診患者の中には、予約日変更の連絡がない事も少なくない。忘れていた、送迎する家族が居ない、経済的理由等から予約をキャンセルした事例もあったが未受診に繋がる原因や背景は明らかにされていない。このことからA 病院循環器外来に通院している患者の未受診の実態と要因を明らかにする。【方法】平成31 年4 月~令和2 年3 月までの循環器外来患者から、予約総数のうち未受診患者数、年齢、性別、居住区域、最終受診から次回受診日までの期間、院内の他科受診の有無、かかりつけ医の有無、入院歴の有無、家族情報の有無、保険の種類、月別、曜日別の項目を収集した。未受診患者カルテから得た情報を基に単純集計し未受診患者の割合はカイ二乗検定を行った。患者のデータを利用するに際しその旨と研究趣旨を公表し、患者が自分のデータについて使用拒否できるようにした上で、A 病院の倫理審査委員会の承認を得た。【結果】年間予約数は9195 人でそのうち未受診者数は162 人(2%)であった。未受診患者については、年齢は80 歳代が54 人(33%)、70歳代が48 人(30%)。最終受診から次回受診日までの期間1年以上72 人(44%)。かかりつけ医の有無では有りが143 人(87%)。連絡なしが79 人(48%)、理由が判明している人数は83 人(52%)、そのうち逝去、入院中などの身体状況の変化に伴うものが83 人中52 人(63%)であった。【考察】未受診患者は70 歳以上の高齢者が半数以上を占めており、身体状況の変化に伴う要因が明らかになった。高齢者が外来受診を継続出来るように、生活背景を把握して意図的に関わる事が受診行動の中断を予防し、重症化による再入院を減らすことに繋がると考える。かかりつけ医がある患者に関してはかかりつけ医からの案内で受診日程の調整が行えているが、かかりつけ医がない患者に関しては、かかりつけ医への推進を並行しながら2か月程前に患者へ受診日程について案内の電話を入れる体制等を検討していく必要がある。