第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

口演

口演32群 在宅療養移行支援⑤

2022年11月9日(水) 15:30 〜 16:30 口演会場3 (304)

座長:南里 玲子

[口演M-32-1] A 病院の訪問看護を導入した患者・家族の利用前後の思い

鈴木 裕理, 吉澤 朋江, 大村 真由美, 加司山 良子 (水戸赤十字病院)

キーワード:訪問看護、訪問看護の利用、患者・家族の思い

【抄録】
【目的】訪問看護利用前後の患者・家族の思いを明らかにし、訪問看護利用に影響を与える要因を検討する。【方法】訪問看護室を利用している患者・家族を対象に、訪問看護利用前後の思いについてインタビューガイドを用いて半構成的面接を個別に30 分以内で実施した。インタビュー内容から逐語録を作成し、類似性を踏まえてカテゴリー化し、訪問看護を導入した患者・家族の利用前後の思いを分析し、利用に影響する要因を検討した。倫理的配慮として研究の説明を行い、同意書の署名をもって同意を得た。【結果】対象患者は5 名、家族7 名であった。訪問看護を利用する前の気持ち⑴患者の回答は21 のコード、10 のサブカテゴリー、4 のカテゴリーに分類された。カテゴリーは<訪問看護を利用したい>、<他者から勧められたから利用する>、<訪問看護を利用しなくてよい>、<特にない>であった。⑵家族の回答は22 のコード、7 のサブカテゴリー、2 のカテゴリーに分類された。カテゴリーは<訪問看護を利用したい>、<他者から勧めたられたから利用する>であった。訪問看護を利用した後の気持ち⑴患者の回答は11 のコード、5 のサブカテゴリー、4のカテゴリーに分類された。カテゴリーは<満足>、<安心>、<利用の継続>、<期待はない>であった。⑵家族の回答は26 のコード、9 のサブカテゴリー、5 のカテゴリーに分類された。カテゴリーは<満足>、<安心>、<利用の継続>、<制度の変更希望>、<訪問看護の評価への期待>であった。【考察】訪問看護を利用する前の思いは、患者・家族とも入院中から在宅療養への心配や不安があり、訪問看護を利用したいと考えている。また、家族は在宅療養の具体的な方法をイメージが出来ないまま在宅での介護を行うことに不安があり、訪問看護に支えて欲しいと考えている。訪問看護を利用した後の患者・家族は精神的なサポートを得られており、それにより在宅療養が継続出来ている。また、訪問看護師を通して主治医と連携が図れているという実感は、在宅療養での病気に対する不安軽減に繋がっていると考えられる。訪問看護の利用には、利用前の他者からの勧め、利用後の満足感や安心感が影響していることが考えられる。