第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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口演

口演40群 新型コロナウイルス感染症下の看護~看護職の心理②~

Wed. Nov 9, 2022 3:30 PM - 4:30 PM 口演会場5 (103)

座長:植田 みゆき

[口演M-40-5] 重症COVID-19 病棟でフレキシブルな対応が求められる看護師のレジリエンス

金丸 亜世子, 時田 明香, 福田 江美, 式守 淳子 (東京都立墨東病院)

Keywords:COVID-19、看護、レジリエンス

【抄録】
【目的】2020 年5 月より心疾患ハイケアユニットから重症COVID-19 病棟に再編された看護師のレジリエンスを明らかにする。【方法】2022 年1 月~ 2 月に重症COVID-19 病棟看護師27 名へ無記名自記式質問紙を配布した。研究の主旨と自由意思による参加、匿名性の保持に関して口頭で説明し、書面での同意を得た。基本属性「性別・年齢・看護師経験年数・ハイケアユニット経験年数・看護クリニカルラダーレベル・職位・心臓カテーテルクリニカルラダー」と、尾形らが開発した看護師レジリエンス尺度『肯定的な看護への取り組み』『対人スキル』『プライベートでの支持の存在』『新奇性対応力』の4 因子22 項目(個人総合スコアは最低22 ~最高110、項目総合スコアは最低25 ~最高125)、「職務満足度」9 項目、「生活満足度」6 項目を5 件法で調査。データを抽出し、基本属性と「看護師レジリエンス、職務満足度、生活満足度」の37 項目間のクロス集計法を実施した。【結果】個人総合スコアは最高92、最低46 だった。項目総合スコアが100 以上の高い項目は『プライベートでの支持の存在』の5 項目中4 項目(102 ~ 109)と、『肯定的な看護への取り組み』の「困難なことも看護のプロとして成長に必要だとおもう」(101)だった。項目総合スコアの最低は『新奇性対応力』の「新しい仕事を覚えるのは簡単だ」(60)だった。クロス集計の各項目間での結果は差異があるとは言えなかった。看護師の年齢は35 歳以上68%、看護師経験年数10 年以上71%、ハイケアユニット経験年数3 年未満42%、10 年以上33%、心臓カテーテル緊急対応可能者50%。質問紙回収率92.5%だった。【考察】看護経験の長いスタッフが多い中でも、重症COVID-19 病棟の仕事は簡単ではないと感じていた。砂見は「看護師のレジリエンスは、深刻な逆境を経験しながらも、職場に適応し、さらに成長を遂げていくプロセスに適用できると推察できる」と述べている。COVID-19 パンデミックは感染のリスクや予測できない未来を抱えながらも、年齢や看護経験に関わらずレジリエンスを発揮する経験となった。重症COVID-19病棟の看護師のレジリエンスは、プライベートでの支持を得ながら、プロとしての成長や新しいことへの挑戦という気持ちによってフレキシブルな対応を可能にしたと考えた。