第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

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口演

口演44群 ヘルシーワークプレイス②

Wed. Nov 9, 2022 3:30 PM - 4:30 PM 口演会場6 (104)

座長:成田 康子

[口演M-44-1] A 病院における看護管理職のストレスとバーンアウトの関連

甲地 義富 (草加市立病院)

Keywords:看護管理職、バーンアウト、ストレス

【抄録】
【目的】医療の高度化が進み看護師の責務はますます重くなり、看護管理職の精神的・心理的負担も増えることが危惧される。A 病院における看護管理職のストレスとバーンアウトの関連を明らかにし、看護管理者への支援を検討した。【方法】対象は、A 病院に勤務する看護管理職39 名。調査内容は、看護管理者のストレス得点とバーンアウト得点である。対象者属性として婚姻状況、子供の有無、管理職経験年数、A 病院以外での看護師経験年数を調査した。ストレスは下光が作成した「職業性ストレス簡易調査票」を用いた。バーンアウトは、久保が作成した「日本版バーンアウト尺度」を用いた。高ストレス者の選定は、ストレスチェック実施マニュアルに示される判定基準を用いた。対象者の基本的属性とストレス得点について、χ2 検定を行った。バーンアウト得点は、脱人格化尺度、個人的達成感の低下尺度、情緒的消耗尺度の平均値及び標準偏差を出した。ストレス得点に対してバーンアウト得点が関連しているか、ピアソンの積率相関関係を算出した。分析には、(SPSS Ver26)を用い、有意水準は5%未満とした。本研究は所属施設看護研究倫理委員会の承認を得て実施した。【結果】39 名のうち30 名(回答率76.9%)から回答があり、(有効回答率は100%)であった。基本属性は、未婚4 名、既婚26 名、子供あり23 名、子供なし7 名、A 病院管理職経験年数5 年未満9 名、5 ~ 9 年7 名、10 ~ 14 年7 名、15 年以上7 名であった。高ストレス者として認定された者は7 名(23%)であった。バーンアウト得点では「情緒的消耗尺度」の平均値15.1 ± 5.3、「脱人格化尺度」の平均値12.4 ± 4.2、「個人的達成感の低下尺度」の平均値14.6 ± 3.4であった。職業性ストレス得点とバーンアウト得点の相関係数はr= 0.701(p < 0.05)であった。【考察】対象者の23%が高ストレス者として認定された。厚生労働省では、調査集団の上位10%程度を高ストレス者として判断することを指標としている。自らの資質や能力以上の業務量を強いられる状況がストレス反応の上昇に繋がっているのではないかと考える。また本結果より、ストレスが高くなればなるほどバーンアウト点数も高くなることが明らかになった。今後はストレスが高い管理職の状況を察知し、バーンアウトに至る前にアプローチすることが必要と考える。