第53回(2022年度)日本看護学会学術集会 幕張

講演情報

口演

口演46群 看護管理~効率的で質の高い看護に向けた取り組み~

2022年11月9日(水) 12:40 〜 13:40 口演会場7 (105)

座長:網川 敏

[口演M-46-1] アメーバ・ナーシング・システム(ANS)導入後のチームワークおよび協働意識などの変化

- ANS 導入後3 年以上経過後の調査-

若林 朱香1, 佐藤 美香子1, 張 平平2, 広瀬 志重美1 (1.東鷲宮病院, 2.富山県立大学)

キーワード:看護提供方式、チームワーク、アメーバ・ナーシング・システム、協働

【抄録】
【目的】看護提供方式をプライマリーナーシングおよびチームナーシング変則看護提供方式からA 病院独自のアメーバ・ナーシング・システム(ANS)に変更し、3 年以上経過後、チームワークおよび協働意識などの変化を調査し、看護の質の向上に役立てる。【方法】A 病院に勤務する看護師93 名、准看護師19 名、補助者38 名を対象に質問紙調査を行い、分析は記述統計とした。調査期間は、2021 年6 月~ 2022 年1月。質問紙の内容は、「情報」「チームワーク」「育成」「環境」「看護の成果」「協働意識」に関する20 項目であった。倫理的配慮:A 病院倫理審査委員会の承認を得た。研究対象者に研究目的、趣旨、自由意志での参加、個人情報保護、研究参加の拒否及び途中棄権の権利を文章で説明し同意を得た。【結果】質問紙を151 名に配布し、5 割以上未記入のものを削除後、148 名の回答を採用した(有効回答率98.0%)。対象者の背景としては、男性7 名、女性141 名、年齢は40 歳以上が全体の74.1%、A 病院での経験年数は、5 年以上が57 名であった。「情報」に関する項目では「情報の共有化はできているか」について、全体の89.2%が肯定的に回答、「チームワーク」では「補助者もチームの一員になっているか」に対し92.6%が肯定的に回答、「協働意識」では「チーム内で互いに助け合い支援しようとしているか」について、82.6%が肯定的に回答していた。一方、「看護の成果」では「患者の個別性にあった看護や退院支援ができるようになったか」については、59.1%が肯定し、最も低位であった。【考察】ANS 導入後のチームワークおよび協働意識等の変化について調査した結果、上位に「チームワーク」が挙げられ、9 割以上が肯定的に回答していたことから、ANS 導入後、小集団全員参加型の特徴によりチームの結束力が高まったと推察される。次に上位に挙げられる「情報」の項目では、9 割以上が肯定し、ANS が浸透し、情報の共有化が周知されたと推測される。「協働意識」は、8 割の肯定的回答から、チーム内の相互支援体制が構築されたと考えられる。一方、看護の成果については、「患者の個別性にあった看護や退院支援ができるようになったか」に対し、肯定的回答が6 割と低位になっていた。このことから患者の意向に沿った看護支援が今後の課題である。