第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

講演情報

口演

口演10群 ポストコロナ社会の看護への示唆③

2023年9月29日(金) 10:15 〜 11:15 口演会場4 第9会場 (1202)

座長:深尾 亜由美

[口演O-10-4] COVID-19 による妊婦の不安の実態

―妊婦の求めている情報提供の検討―

金高 加絵, 塚本 美由紀, 永末 三紀, 河原 歩, 井上 真紀, 橋本 聖子 (田川市立病院)

キーワード:COVID-19、妊婦、不安、WEB アンケート

【目的】COVID-19 に関する妊婦の不安の実態調査をWEBアンケートで行い、安心して妊娠生活を送り出産するための情報提供の検討を行う。【方法】2022 年3 月~ 5 月にA病院妊婦健康診査を受診した妊婦105 名に独自に作成したCOVID-19 に関するWEB アンケートを実施し単純集計を行った。その結果をもとに妊婦への情報提供のための資料を作成し、A 病院ホームページに掲載、妊婦健康診査第1 回目に閲覧用QR コードを母子健康手帳に貼付。本研究はA 病院倫理委員会の承認を得て実施し、本研究の参加は対象者の自由意思であり回答を持って研究に同意したこととした。【結果】アンケートは105 名に配布し74 名回収(回収率は70.5%)、有効回答74 名(有効回答率100%)であった。COVID-19により不安が増した妊婦は64 名(86.5%)であり、自身が感染することに対して不安と感じる妊婦は62 名(96.9%)、夫・家族が感染することに対して不安と感じる妊婦は67 名(90.5%)であった。感染対策として「マスク着用」73 名(98.6%)、「手洗い・うがい」68 名(91.9%)、「外出の際の手指消毒実施」53 名(71.6%)、「密集する場所には行かない」48 名(64.9%)、「ワクチン接種2 回目済み」45 名(60.8%)、「こまめな換気」32 名(43.2%)、「ワクチン接種3 回目済み」11 名(14.9%)であった。【考察】長期化するコロナ禍により、家庭内感染のリスクや自身の感染への危機感が高まり、妊婦の不安が増していると考える。妊娠中の不安は、産後うつのリスク要因となり得るため、出産や育児に影響しないよう妊娠早期に支援する必要がある。感染対策として基本的な感染対策は行えていたが、3 密を避ける対策が行えていないことや、3 回目のワクチン接種率が低いことから、感染対策の意識向上や、発症・重症化予防できるようエビデンスに基づく最新の情報を提供することは医療機関の重要な役割のひとつであると考える。今回アンケート結果をもとに妊婦の不安軽減につながるよう資料を作成し、妊娠早期から関わりを持てたが、不安軽減に繋がったかを評価するまでに至らなかった。今後も変化する感染状況の中で、妊婦の抱える不安軽減に努め、安心して妊娠生活を送ることができるよう必要な最新情報を提供し、妊娠早期から継続的に関わることが重要である。