第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

講演情報

口演

口演12群 DiNQLを活用した看護の質向上

2023年9月29日(金) 15:00 〜 16:00 口演会場4 第9会場 (1202)

座長:板東 由美

[口演O-12-1] A 病院におけるDiNQL 活動

―導入から5 年目を迎えての現状と課題―

大迫 朋子, 肥後 あゆみ, 中川 勇樹, 井口 麻里 (鹿児島医療センター)

キーワード:DiNQL

【背景】看護師は患者に日々看護実践を行っている。しかしその看護実践については患者のアウトカムに影響するため、目に見え難いこと、またデータ化が困難であることから評価が難しいことも事実である。A 病院は看護実践のデータを可視化し他院との比較を行い、現状を把握することで更なる看護の質向上を図りたいと考え、DiNQL 事業に2019 年から参加し、今年で5 年目を迎える。今回A 病院におけるDiNQL活動の現状と課題を報告する。【取組み内容】2019 年度看護部主導で会議を立ち上げ、担当看護師長、副看護師長(医療情報管理室副看護師長含む)、各部署の看護師1 名で構成した。日本看護協会が提示している7 つのステップを参考に、1 ~ 2 年目はDiNQL の概要の理解、評価指標の理解、データ入力の理解を主に活動した。3 年目より自部署のベンチマークを読み解くを目標に掲げ、ベンチマーク評価を読み解くことや各部署での強み・弱みをまとめ、自部署の目標から評価までを開始した。4 年目よりレベルアップを目指し、自部署のデータを分析し取り組み評価ができるを目標に掲げ、自部署の昨年度のベンチマーク評価や他データの分析結果を基に目標立案から評価を行うことで更なる分析力を高める取り組みを開始した。【結果・成果】立ち上げ当初は評価指標の解釈や入力方法に難しさを感じていることから、DiNQL 会議内で丁寧に解釈の説明を実施した。3 年目より各部署で取り組むべき課題について取り組みを行うこととした。会議では各部署の疑問、工夫していること等グループワークを実施し情報共有を行った。また分析力向上のため事例検討会を実施し、他部署委員の分析の視点や関連委員会とのを検討した。その結果、自部署のデータを読み解く力や他委員会メンバーとの連携強化、スタッフへのDiNQL データの周知、目標達成等自部署に生かすことができたと思われる。【今後への示唆】システム入力について、各部署の担当看護師に負担がかかっている現状がある。今後は各部署の委員会・会議の担当看護師がDiNQL に積極的に参画できるようにアプローチを行っていきたい。また入力項目についても説明を行っているが漏れている現状がある。カテゴリー毎の一覧を一目で把握できるよう入力情報収集一覧を作成中である。これを浸透させることで更なる正確なデータ入力を期待する。また、多角的視点で分析できるよう各部署の副看護師長を活用し協力体制が図れるように調整を図っていきたい。

DiNQL 関連演題の抄録については、商標登録 は省略しています。