第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

講演情報

口演

口演2群 看護管理(施設運営)

2023年9月29日(金) 13:15 〜 14:15 口演会場1 第6会場 (1008)

座長:菊地 千夏

[口演O-2-4] 放射線科領域の一体化に向けた第一歩

―患者の人生をSOZO するケアを目指して―

鈴木 奏穂, 中村 真喜子, 竹口 久美, 櫻井 茉未, 村田 唯衣, 早川 聡乃, 中村 彩佳, 河原崎 聖奈, 今田 梨華 (浜松医科大学医学部附属病院)

キーワード:放射線科看護、一体化、継続看護

【目的】A 病棟は、放射線科・救急科・循環器内科の混合病棟である。2022 年11 月よりA 病棟看護師が放射線科外来・治療室の業務を担うことになり、放射線科領域の一体化に向けて始動した。スタッフが安心して業務出来る環境を整えること、更には一体化したことで部署間の継ぎ目のない看護実践により患者が安心して放射線治療を完遂するための一助となることを目的として取り組みを行った。【方法】実践報告のための情報を開示することに同意を得た。浜松医科大学医学部附属病院看護部看護研究倫理審査会の承認を得た。(承認番号:202231)ワーキンググループを立ち上げ、病棟看護師を対象に放射線科外来業務の説明会及び放射線科外来・治療室の見学会を実施した。また、新たに業務マニュアルを作成し、それを活用してオリエンテーションを行った。一体化後に、子宮頸癌に対する腔内照射治療に不安が強かった患者に対して、初診時の様子を病棟カンファレンスで情報共有し、ケアについて話し合う機会をもった。また、医師と連携し症状マネジメントなど病棟での看護実践に活かした。【結果】見学会の開催や業務マニュアルを活用し、外来業務を行うことができている。事例では、部署間で十分な情報共有が行われたことで、精神的な支援や症状マネジメントの実践に活かすことができた。患者から継続的な看護師の関りにより治療過程を想像することができ、安心して治療を受ける事ができたと反応を得た。【考察】ワーキンググループが中心となり、見学会開催や業務マニュアルの作成などの先行活動を行ったことで、業務内容が明確になり外来を担当する看護師が不安なく外来業務を行う環境を整えることができた。放射線科領域が一体化し、部署間での情報共有がスムーズに行えるようになったことで、病棟・外来間の壁がなくなり継ぎ目のない看護が提供できるようになった。事例では、継続看護の実現により具体的な治療過程を想像できるようになり、放射線治療の完遂を支援することができた。佐野らは「患者にとって、外来受診時に病棟での顔見知りの看護師がいることは安心・安堵感を与えることになる。病棟-外来間のつながりの強化と継続看護の充実のためには、外来-病棟間一元化は大きな意義を持つ。」と述べている。患者の人生を創造するケアの一助となるように、治療期間を通して顔の見える関係性を構築していくことが重要であると考える。