第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

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口演

口演22群 質の高い看護人材を育成する教育②

Sat. Sep 30, 2023 9:00 AM - 10:00 AM 口演会場4 第9会場 (1202)

座長:佐久間 博子

[口演O-22-4] オンラインによる新人助産師交流研修の効果

小倉 嘉子1, 佐藤 桂子2, 越沼 美奈子3 (1.東京都立大塚病院, 2.東京都立豊島病院, 3.東京都立荏原病院)

Keywords:オンライン研修、新人助産師、モチベーションの維持

【目的】令和4 年自治体8 病院は公社6 病院と一体化し、独立行政法人に移行した。14 病院のスケールメリットを活かし、新人助産師交流研修を企画した。新人助産師は、コロナ禍でのオンライン授業や実習制限などから就業後に不安を抱えている。また、助産師は同期が少ないため成長を自覚しにくく、連帯感も少ない。今回、新人助産師が組織に連帯感を持ち、就業を継続するために実施した交流研修の効果について報告する。【方法】14 病院のうち、産科病棟を有する6 施設の新人助産師19 名を対象に、入職10 ヶ月後の14 時~16時にWEB を用い交流研修を実施した。全員に入職してよかったことや今後やってみたいこと、なりたい助産師像などを語ってもらい、その後情報交換を実施した。終了後、研修の満足度に対しての質問紙調査を行い、自己評価をもとに分析した。倫理的配慮:本研究は所属施設の倫理委員会の承認を得て実施した。【結果】・他施設の周産期の特徴や構造、体制、助産ケアの実際などを情報交換できていた。・興味関心では、コロナ妊産婦へのケア、産科病棟で他科を受入れ学ぶ同期の姿勢や制限されている立ち合い分娩、和痛分娩などの実施施設に質問が多かった。自分の興味や関心のある分野に全員が気づき発言できていた。・今後の理想となる助産師像について全員発言できていた。・研修時期「ちょうど良い」95%、研修時間は「ちょうど良い」79%であった。・研修の満足度を自己評価で点数化したところ91 点以上32%、81 ~90 点以上47%、71 ~ 80 点以上11%であった。自由記載では「刺激を受けた」、「頑張ろうと思う」などプラスの意見が多かった。【考察】全員が興味や関心、理想の助産師像を発言できており、今後の目標を見いだせていた。また、WEB研修は学生時代から慣れている新人助産師にとっては質問しやすく、話しやすい環境であった。自由記載のプラスの意見から、先行文献にあるように実際に同期との交流を求め、「各施設の同期」や「同じ組織で働く仲間」など連帯感が芽生えていることが示唆された。今回の研修は、他施設で働く同期の助産師と交流し、様々な情報を得ることで今後の目標を見出し、やる気につながっていたことから効果があったと考える。今後も14 施設のスケールメリットを活かし、入職早期から自分の目標や仲間との連帯感を持ちながら、働き続ける助産師を育成していきたい。