第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

講演情報

口演

口演9群 ポストコロナ社会の看護への示唆②

2023年9月29日(金) 15:00 〜 16:00 口演会場3 第8会場 (1006+1007)

座長:須東 光江

[口演O-9-4] 急性期病院による後方支援医療機関(施設)との効果的な連携の構築

―COVID-19 患者の円滑な退院支援にむけて―

廣瀬 由佳, 山内 宏美, 木下 幸子, 猪尾 美紗妃, 林 真理子 (徳島県立三好病院)

キーワード:COVID-19、退院支援、後方支援医療機関

【目的】COVID-19 患者の円滑な退院支援を行うため、後方支援医療機関のスタッフの受け入れ当初と現在の気持ちの変化や、必要としている情報を明らかにし、本研究調査結果を踏まえA 病院の課題を得る。【方法】調査期間は2022/9/13~ 2022/9/26 とし、A 病院B 病棟から患者を受け入れた6病院の病棟及び2 施設の職員32 名を対象とした。無記名自記式質問紙調査を行い、受け入れ当初、現在の気持ちや周囲との関係性、退院支援における情報としてA 病院からの看護情報提供書の内容などの回答を得た。倫理的配慮については、アンケート調査は研究者が厳重に管理を行い、調査終了後にデータを廃棄する。また、A 病院倫理審査委員会の承認を得た。分析方法は、アンケート調査の退院支援における情報について因子分析を行い、A 病院が作成している看護情報提供書が寄与しているかを導き出した。また、「アフターコロナ患者受け入れによる影響」の項目をTMDP で評価し、対応のあるT 検定を行った。【結果】アフターコロナ患者受け入れによる影響は受け入れ当初と現在の気持ちについてT検定を行い有意差がなかった。また退院支援における情報に関して、「患者背景に関する情報」「受け入れ体制を整備するために必要な情報」「入院中の治療経過と継続すべき看護情報」の3 因子が抽出された。「受け入れ体制を整備するために必要な情報」の因子については理解度が低かった。【考察】後方支援医療機関(施設)の職員に気持ちの変化がなかったのは、ガイドラインの改訂や治療法の確立、関わる機会が増えたことで感染への恐怖心が緩和されたためと推察する。また円滑な退院支援を行うために入院早期から多職種と連携を図り、情報共有を行い、看護情報提供書の内容を充実させる必要がある。今後、多職種と入院早期から情報共有を行い、退院後も援助が必要な患者を見極め、目標を明確にすることが重要となる。そして経過やチーム介入した看護など個別性に応じた記載はできていたが、記載内容が看護師間で統一されていないため、標準化する必要がある。