第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

講演情報

ポスター

ポスター13 群 質の高い看護人材を育成する教育②

2023年9月30日(土) 13:15 〜 14:15 ポスター会場 (イベントホール)

座長:中川 有加

[ポスターO-13-3] 外来看護師の実践能力開発を支援するOJT への取り組み

―新しい時代の外来看護を目指して―

高尾 涼子, 品川 真紀子, 福井 みどり (関西電力病院)

キーワード:OJT、人材育成、外来看護

【目的】A 病院外来では各診療科の看護師は固定していた。看護師の固定は診療科の専門性が保たれる一方、他部署の業務応援が困難になるデメリットがあった。そこで複数の診療科に対応でき幅広い状況に柔軟に対応できる実践能力を養い、効果的で効率的な外来看護機能を構築していく必要があると考え、OJT を計画的に進め成果をあげたので報告する。【方法】期間:2019 年4 月~ 2023 年2 月 対象者:A 病院外来看護師17 名2019 年より各診療科のスキルを可視化し、技術習得表(以下スキルマップと称す)の作成とマニュアルの整備を行い、習得率が低い診療科を優先的に専門性が高い看護師が指導できるよう計画し、マニュアルに沿ってOJT を実施した。2022 年度より、年間目標として習得率上昇を掲げ、毎月の各診療科における習得率(以下診療科習得率と称す)を集計しスタッフへ提示した。4 ヶ月毎にスキルマップを5段階で自己評価し集計後提示。更に、年度毎の診療科習得率とスキルマップの習得率を比較、変化を提示した。倫理的配慮は、対象看護師に、研究の意義、方法、データーは研究以外に用いないことを口頭で説明した。発表にあたり、不利益はない事、個人が特定されないようプライバシーの保護に配慮した。【結果】各診療科の「必要最低限なスキル」として必須項目を定め、年間計画の基、必須項目の技術を各診療科の熟練した看護師が1 週間で指導した。週の前半は2 人ペアでスキル指導をうけ実践、後半は1 日の業務を担い指導者は見守った。OJT 後はサポート役の看護師を明確にしたフォロー体制を確立し自立へと繋げた。結果、診療科習得率は2019 年47%、2020 年48%、2021 年46%と横ばいに対し、2023 年2 月で82%まで上昇した。習得率が低い科においては、2022 年4 月38%から、2023 年2 月71%まで上昇。 スキルマップは2022 年4 月平均38%から2023 年2 月平均62%まで上昇した。【考察】スキルマップの活用により各科の重要なスキルが焦点化された。4 か月毎のスキルマップの評価で習得を可視化したことが、個々の自信となり、診療科間の協力体制の向上に繋がったと考える。スキルが向上したことで、診療科習得率上昇へと繋がった。今回の取り組みは、外来におけるOJT への仕組みづくりの基盤となった。今後、更に外来他部門への業務習得へと繋げていくことが課題である。