第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

講演情報

ポスター

ポスター2 群 ワーク・ライフ・バランスの保持

2023年9月29日(金) 13:15 〜 14:15 ポスター会場 (イベントホール)

座長:辻本 雄大

[ポスターO-2-3] A 病院における男性看護師の育児休業に対する捉え方と実態から見える育児休業取得の促進要因

伊藤 智美, 太幡 恵美子 (上尾中央総合病院)

キーワード:男性看護師、育児休業、ワークライフバランス

【目的】日本全体の男性の育児休業取得率は低く、育児休業の取りやすい環境整備が求められている。今回はA 病院の男性看護師に焦点を当て、育児休業に関する調査・分析を行い、ワークライフバランスを整えることに繋がる研究とした。A 病院における男性看護師の育児休業の捉え方と実態を明らかにすることで、育児休業取得の促進要因を見出すことを目的とする。【方法】2022 年度A 病院在籍の101 名の男性看護師を対象に、独自に作成した質問紙を用いて調査を行った。調査結果をExcel にて単純集計を行い分析した。質問紙は結果のみを使用し個人は特定できないように配慮し、研究以外の目的で使用しないこと、質問紙の聞き取り調査への参加は自由であることを説明し同意を得て、A 病院の倫理委員会の承認を得た。【結果】A 病院の男性看護師101 名に対し、91 名に回答を得られた。全体の育児休業取得希望者は67 名であり、理由は、「育児休業は男女ともに取得するものだ」「育児に取り組みたい」が多かった。育児休業取得希望しないものは22 名であり、「金銭面の不安」という理由が多かった。また、回答者全体の75 名はA 病院の育児休業制度を知らないと回答し、育児休業取得希望をしない者のうち18 名知らないと回答した。A 病院の実際の育児休業取得対象者は31 名であり、実際の育児休業取得者は8 名であった。この8名のうち7 名は、「育児に取り組みたい」という理由で再度取得希望があった。育児休業を取得しなかった者は23 名であり、理由は、「金銭面の不安」「多忙な職場環境」を挙げる者が多かった。【考察】育児休業を取得したいと考える男性看護師は多いが、実際に取得している看護師は少ないことが分かった。その背景には「多忙な職場環境」「金銭面の不安」が関連しており、1 つの要因としては、A 病院の育児休業の制度を知らない者が多く、相談する窓口が不明瞭であることが考えられる。実際に育児休業取得した者は再度取得したいと思う者が多かった。日本の現状と同様にA 病院の男性看護師においても、育児休業取得率は低かった。育児休業を取りたいと考えている者は多く、育児休業の制度が広まり、職場環境を整うことが促進要因となることが明らかになった。希望に沿った働き方は男性看護師のワークライフバランスを整えることに繋がる。A 病院でも育児休業取得に向け環境を整えることが必要だと示唆される。