第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

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ポスター

ポスター9 群 住み慣れた地域に戻ることへの支援

Sat. Sep 30, 2023 10:30 AM - 11:30 AM ポスター会場 (イベントホール)

座長:髙木 智美

[ポスターO-9-4] 退院支援により自宅退院できた終末期患者への看護師の支援

児島 香織, 長谷川 千尋, 大塚 亜紀, 永田 真菜, 志村 彩華, 伊藤 好美 (前橋赤十字病院)

Keywords:退院支援、自宅退院、終末期、看護師の支援

【目的】退院支援により自宅退院できた終末期患者への看護師の支援を明らかにし、患者と家族が安心して自宅退院するための支援を考察する。【方法】研究対象:自宅退院できた終末期患者と関わったことのある看護師20 名程度。データ収集方法:自宅退院できた終末期患者に関わった時のことを時系列で具体的に語ってもらえるえるよう、インタビューガイドを作成し、半構造化面接を実施。分析方法:Berelson, B. の方法論を参考にした看護教育学の内容分析。倫理的配慮:院内倫理委員会の承認を得て実施した。対象者に口頭及び書面で説明し、同意を得て実施した。【結果】同意を得られた18名の看護師にインタビューを実施。183 記録単位から59 同一記録単位群、12 カテゴリが形成され、①多職種との連携をとり自宅退院の為の調整をすること②患者・家族の思いを尊重し意思決定を支えること③個別性に合わせた看護ケアの自立に向けた家族指導を実施すること④入院中に患者の症状マネジメントを行うの4 つの支援が示唆された。【考察】①「多職種との連携を取り自宅退院の為の調整をすること」では、カンファレンスに家族を交えて情報共有を行うことで、自宅での療養生活を想像することができ、安心感に繋がると考えられる。また、早期から多職種へ介入を依頼することで、必要なサービスや環境調整を行うことができ、日々病状が進行していく患者の自宅退院したいという希望を実現することに繋がることが示唆された。②「患者・家族の思いを尊重し意思決定を支えること」では、信頼関係を構築し、患者・家族それぞれの思いに気づき、寄り添い、尊重した関りを行い、意思決定を支えることが重要であることが示唆された。③「個別性に合わせた看護ケアの自立に向けた家族指導を実施すること」では、家族が看護ケアを実施しなければならないという不安を軽減するために、安全かつ確実な手技を習得する必要がある。家族の年齢も異なるため、個々に応じた看護ケアの指導を早期に開始し、手技獲得まで繰り返し指導を行うことが重要であることが示唆された。④「入院中に患者の症状マネジメントを行う」では、入院中から症状緩和やADL 低下予防の支援が、患者だけでなく、家族への身体的、心理的な負担を最小限に抑えられるのではないかと考えられ、身体症状に合わせた症状マネジメントを行うことが重要であることが示唆された。