第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 大阪

講演情報

シンポジウム

シンポジウム1 看護管理者が認定看護師に特定行為研修の受講を促した経緯と特定認定看護師の活動の実際

2023年9月29日(金) 13:15 〜 14:45 第3会場 (1003)

座長:荒木 暁子

講師:乾 早紀子・竹之内 美栄・村上 純子・石山 いずみ

[SY1-1] 看護管理者が認定看護師に特定行為研修の受講を促した経緯と特定認定看護師の活動の実際

乾 早紀子 (奈良県西和医療センター/心不全看護特定認定看護師)

【抄録】
 心不全はあらゆる循環器疾患の終末像であり併存疾患を有する患者が多く、その病態や進行も様々である。心不全患者は日本の高齢化に伴い増加の一途を辿り、全国平均より高齢化率の高い当センターの所在地域においても同様である。認定看護師として活動開始の2015 年以降、高齢心不全患者の病態の複雑・多様化から、その重症化予防やQOL の維持向上の適切な支援には、自身の知識・技能の更なる向上が必要であると感じていた。そこで2020 年特定行為研修の受講を決意し、6 区分15 行為を修了した。
 研修修了後は循環器内科病棟(CCU4 床併設)で実践している。臨床推論とフィジカルアセスメントをもとに患者の他覚的所見や症状体験の聴き取り等必要な情報の収集、病態悪化の徴候を早期に捉える能力が高まったと感じる。そして直接的動脈穿刺による血液ガス分析、非侵襲的陽圧換気の調節など、特定行為を通して患者の重症化回避や合併症予防に貢献できているという手応えを感じている。今後も患者の重症化予防、セルフケア向上に向けて、心不全看護特定認定看護師としての能力を更に発揮していけるよう実践していきたい。