第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

講演情報

口演

口演12群 看護職間・他職種との協働②

2023年11月8日(水) 15:45 〜 16:45 第8会場 (G314+G315)

座長:井戸沼 由美子

[口演Y-12-3] 看護補助者の業務調整の見える化

―ホワイトボードを活用した見える化の効果―

秋元 静香1, 山田 典子2, 舘岡 ゆかり3 (1.秋田厚生医療センター, 2.横浜市立大学, 3.湖東厚生病院)

キーワード:看護補助者、ホワイトボード、業務調整、活用

【目的】看護補助者(以下「補助者」)に対する、ホワイトボード(以下「ボード」)を活用した業務調整の効果について明らかにする。【方法】補助者従来業務の、業務効率の悪さやコミュニケーション不足などの課題に対し、ボードを活用し業務が見えることでの効果について、半構造化面接によるフォーカスグループインタビューを実施した。研究方法:質的記述的研究、対象:B病院の地域包括ケア病棟に勤務する補助者5名、データ分析:グレッグ(2007)の質的記述的研究の分析方法に沿って分析した。録音したものを逐語録におこし、意味内容が変化しないようにコード化した。類似性差異性の視点で比較検討を重ねカテゴリ化した。質的研究者からスーパーバイズを受け、分析の過程で対象者によるメンバーチェッキングを行い厳密性を確保した。倫理的配慮:研究目的や方法、個人情報の配慮、研究成果の考慮について文書と口頭で十分説明し、承諾を得た。【結果】補助者の平均年齢は48.3歳、経験年数は平均7.5年で、部署平均勤務年数は2.1年であった。対象者にインタビューを1回行い、実施時間は30分であった。ボード活用後の業務調整の効果について分析した結果、16のサブカテゴリから7のカテゴリを導きだした。なお、カテゴリは< >で示す。まず、ボードを活用後は<業務が可視化され能率的>に<ボードの業務を確認し声をかけて依頼し協力し合う>ことから業務が進行した。次に、補助者は<ボードを利用しての教育>や<新しいアイディアの発見>を取り入れ業務にいかしていた。そして、補助者は<ボードに集まることでのコミュニケーションが促進>され、ボード活用前と比べ<自然に集まりボードを上手に使い業務をコーディネート>し、翌日の役割分担をする様子から<自ずとボードをいかし業務調整が習慣化>していた。【考察】本研究結果から補助者がボードを自発的、かつ、上手に使い業務をコーディネートするなど、ボードを駆使していたことが明らかになった。看護スタッフも補助者の仕事や所在を確認し、円滑に病棟ケアを進めることができ、看護の質の向上へとつながることが期待できる効果が得られた。