第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター1群 ワークエンゲージメントを高める①

Wed. Nov 8, 2023 10:30 AM - 11:30 AM ポスター会場 (G1-G4)

座長:本田 万里子

[ポスターY-1-3] 職務満足度向上を目指して

―スタッフ主体の取り組みによる職場風土の変革―

田口 美幸, 甲斐 丈子, 櫻田 薫, 神保 京美 (伊勢原協同病院)

Keywords:職務満足度調査、意見の聴取、意見の反映

【目的】スタッフの承認欲求と達成感に着目し、管理者と各部署の中核を担うラダーレベル4 のスタッフを対象に研修とチーム活動を実施し、職務満足度向上を図る。【方法】Stamps- 尾崎翻訳修正尺度を用いた職務満足度調査の結果から、「意見の聴取」「意見の反映」の満足度の割合とした。調査期間は2020 年~ 2022 年とし、対象者はラダーレベル4 のスタッフとした。取り組みを行った前後の2020 年と2022 年の調査結果を比較した。承認欲求を満たすための取り組みとして、①管理者が承認に対する重要性を理解するために自作した面接場面の動画視聴②ラダーレベル4 を対象とした集合研修の開催③集合研修から抽出された意見への取り組み(ラダー混合研修、臨床指導者研修、Instagram の開設)を実施した。倫理的配慮については対象者に研修目的、方法、結果の公表について説明し同意を得て実施した。当該施設の看護部倫理審査会の承認を得た。【結果】ラダーレベル4 のスタッフの職務満足度調査の結果を2020 年と2022 年で比較した。2020 年の対象者は78 人で有効回収率は97%、平均年齢は41.1 歳、性別の割合は女性83%、男性14%、無回答3%であった。2022 年の対象者には変化はみられなかった。「意見の反映」が13%から21%へ上昇し、「意見の聴取」も18%から21%へ上昇した。研修後アンケートからは、「自分達の意見が実際に反映され、実現してくれると思った」「新しい事に挑戦し改革する行動力に看護部の魅力を感じる」などの意見があった。【考察】管理者が承認に対する重要性を理解し、面接や業務の中で前向きなフィードバッグを意識して対応することで、スタッフの承認欲求が満たされたと考える。これまで、スタッフは「意見を話したところで、聞いてくれないだろう」という諦めがあったのではないかと推察する。今回の取り組みによって、意見が実現したことで希望を持つことができ、自己効力感が得られ看護部に対する魅力や、やりがいを見い出すことに繋がったと考える。ダラーレベル4 のスタッフは、幅広い視野を持ち看護職員の役割モデルとなる立場である。そのため、継続的に意見を聴取し反映したことは、組織全体に影響を及ぼしたといえる。また、管理者との信頼関係の構築が職場風土の変革につながり、スタッフの職務満足度の向上に寄与したと考える。