第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター12群 ポストコロナ社会の看護への示唆~看護職の心の働きとその対処②~

Wed. Nov 8, 2023 3:45 PM - 4:45 PM ポスター会場 (G1-G4)

座長:鈴木 美智子

[ポスターY-12-3] COVID-19患者の受け入れ病棟看護師の精神的・身体的負担の実態

金澤 史子, 渡邉 瞳 (千葉県循環器病センター)

Keywords:COVID-19、精神的負担、身体的負担

【目的】前例のない感染症患者に対応した看護師が抱いた負担の要因を明確化するためCOVID-19 患者の受け入れ病棟となった看護師の精神的・身体的負担の実態を明らかにする【方法】倫理審査委員会の承認を得て質的記述的研究を実施した。同意を得られたCOVID-19 患者を受け持った看護師16 名に質問紙で看護経験年数、感染症看護経験の有無、同居者の有無を調査。グループインタビュー法で何が精神的・身体的に負担だったか、何が精神的・身体的負担を増強させたかを調査した【結果】対象人数16 名中16 名。特性は経験年数9 年~ 33 年(平均18 年)、感染症看護経験のある看護師は16 名中2 名(結核患者看護)。精神的負担のコード数100、カテゴリー数11「自分が感染することへの不安がある」「自分から他者に感染させる恐怖がある」「家族を感染から守るための行動にストレスを感じる」「未知のウイルスに感染した患者を看る中でストレスと恐怖がある」「急激に状態が悪化しても何もしてあげられない切なさを感じる」「特殊な労働環境ゆえ看護師としての役割を果たせずもどかしさがある」「隔離状況にある患者との関わりに精神的な負担がある」「重症コロナ患者を看護する療養環境に不安がある」「情報不足により手順が定まらず行動するのに困惑する」「受け入れをする看護師たちへのタイムリーなサポートが不足し不安である」「感染症病棟に対する偏見と温度差を感じる」身体的負担のコード数32、カテゴリー数4「多忙な業務や介護の多さに伴い体に負荷が掛かる」「防護具による皮膚トラブルがある」「防護具及び頻回なアルコール消毒による苦痛がある」「疲労やストレスによる睡眠障害がある」いずれもコード数が多い順に示している【考察】研究結果から自己や他者に感染する不安があることは明らかだった。未知の感染症ゆえの情報不足による不安、特殊な労働環境による役割遂行困難があり精神的負担が大きかったと言える。これはCOVID-19 感染症は未知のウイルスであり、解決策が見つかっていないため医療従事者はストレス渦に長期間さらされている(松田ら2022 年)と述べられていることから解釈可能である。感染区域での業務は限られた人数で対応するため1 人あたりの業務量が多くなる(小池ら)と述べていることから、防護具とアルコール消毒による皮膚トラブルで身体的負担が多かったと解釈できる。