第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

講演情報

ポスター

ポスター20群 高齢者、認知症の人の看護②

2023年11月8日(水) 15:45 〜 16:45 ポスター会場 (G1-G4)

座長:大柴 幸子

[ポスターY-20-3] 看護における高齢者意思決定支援:文献レビュー

鈴木 朋子 (国際医療福祉大学大学院保健医療学専攻看護学分野)

キーワード:意思決定支援、高齢者、看護実践能力、コンピテンシー、エビデンスレベル

【目的】看護師の高齢者を対象とする意思決定支援の研究動向と課題を明確にする。【方法】ミックスドメソッドシステマティックレビュー、検索は医学中央雑誌Web 版、PubMed、CINAHL を用い、統制語・シソーラスよりキーワードを「高齢者(elderly)」「意思決定支援(decision support)」「看護(nursing)」とした。適格・除外基準にて文献を選定し、1. 要約及びリスト化、2. 分析・検討をおこなった。【結果】検索の結果15 の文献を選定した。1. 要約 1) 発行年:2012 年から年1 ~ 2 件の発表があり、初期は質的記述的研究、2018 年より文献レビューがみられた。2021 年には、メタ・アナリシス、介入のある研究が見られた。2) エビデンスレベルとデザイン:バーンズ&グローブの研究エビデンスレベル文献1) をもとにレベルづけした結果、エビデンスレベル5、6 の文献が12 件、4 以上は3 件であった。2. 分析 選定された文献の記述(調査・記述統計など)を1) ~ 3) の3 つの視点で分析した。1)「意思決定支援」の対象・高齢者:①疾患 ②支援の場が示されていた。2)「意思決定支援」の方法:①支援の開始時期 ②治療やケア内容について本人や家族が主体的な意思の表出を促進することを目的とする支援 ③情報提供が示されていた。3) 支援者のスキル・能力・教育:①意思決定支援スキル ②能力 ③教育が示されていた。【考察】15 文献の発行年とレベルづけにより看護師の高齢者を対象とする意思決定支援の研究動向は明らかになった。選定された文献は国内文献のみであった。「Automation in nursing decision support systems」を活用した対象者自身による意思決定が通常という文化や、identity尊重(他者支援)の意識の違いにより分析2) 看護師による意思決定支援方法の記述は異なっていた。よって、支援は文化や時代の影響を受けると考察した。課題は分析3) の文献に記述が集中し、支援実践能力の研究推進と教育のシステム構築を課題と抽出した。参考文献1)Suzan K.Grove Nancy Burns Jennifer R. Gray. バーンズ&グローブ看護研究入門原著第7版: 評価・統合・エビデンスの生成. 東京エルゼビア・ジャパン2015xi