第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

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ポスター

ポスター23群 住み慣れた地域に戻ることへの支援①

Wed. Nov 8, 2023 2:30 PM - 3:30 PM ポスター会場 (G1-G4)

座長:牛田 貴子

[ポスターY-23-1] 回復期病棟における機能的自立度評価表回復点数が退院指標にもたらす関連性

―機能的自立度評価表と在院日数長期化の関連性―

城月 浩美, 橋爪 智華 (飯塚市立病院)

Keywords:回復期病棟、FIM、退院支援

【目的】過去1 年間の機能的自立度評価表(以下FIM と略す)・重症度(FIM 総得点55 点以下)・介護保険認定の有無、退院先を調査することでFIM との関連性を検証しカテゴリー分類する事で退院支援に活用する。【方法】2021 年4 月~2022 年3 月迄の入院患者のFIM(入退院時)・重症度・要介護認定区分・退院先のデータを分析。倫理的配慮はA 病院の倫理委員会の承認を得て、研究検証上データは個人が特定されないように配慮し、研究以外の目的に使用せず研究終了後に破棄する事とした。【結果】2021 年4 月~ 2022 年3 月迄の入院患者総数414 名中自宅退院325 名で、この内実績対象者236 名、実績非対象者89 名であった。FIM 回復点数は自宅退院実績者で平均37.6 点、回復率75%。非対象者は平均10.4 点、回復率79%。在院日数は自宅退院実績者平均40 日、実績非対象者平均33.4 日であった。重症患者はFIM 回復点数が平均35 ~ 70 点、50 ~ 90%の向上があった。実績非対象者はFIM の起点数が91 点中76 点の為に平均8.91 ~ 12.3点とFIM 回復率の大幅な増加はなかった。総患者数の41.2%が介護認定されており自宅からの入院患者は要支援から要介護1が多く施設・他院から入院患者の97.6%が要支援・要介護認定を受けていた。回復期対象疾患、要介護区分による実績指数(FIM 利得率および在院日数) の有意差はなかった。【考察】FIM 回復率と在院日数は関連しており、実績指数に反映されていた。重症患者は床上安静指示や疼痛による体動困難がある為に入院時FIM 点数が低く、疼痛緩和による身体症状軽減がFIM 回復点数の向上に繋がったと思われる。医療としての病状回復という明確な成果とは異なり、生活することに視点を重視することから、そのゴールは個別的で多種多様である。患者、介護者も高齢となり在宅介護の継続が難しく、核家族化による在宅の受け入れや退院調整も困難となって退院が不可能なケースが増えている。受傷による日常生活動作低下を考慮し、在宅復帰に向けて介護認定の申請や区分変更を行い、福祉サービス活用の情報提供や家屋準備等の退院支援が必要である。患者および家族の退院の意向を確認し必要な手続きを早期から取り組む事で在院日数短縮を図る必要があると考えた。