第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

講演情報

ポスター

ポスター27群 健やかに生まれ育つことへの支援①

2023年11月8日(水) 14:30 〜 15:30 ポスター会場 (G1-G4)

座長:大瀬 富士子

[ポスターY-27-4] 高校生のセクシュアルヘルスリテラシー育成プログラムを受講した高校生の学びと気づき

―受講後の意見、感想の分析から―

遠藤 美穂子, 小林 淳子 (仙台青葉学院短期大学看護学科)

キーワード:高校生、セクシュアルヘルスリテラシー、プログラム、学び、気づき

【目的】ICT の進化に伴い性情報が氾濫する中、思春期にある若者が必要な性情報を入手し、理解し、活用する力である性に関するヘルスリテラシー(SHL)を育成するための性教育プログラムの作成は喫緊の課題である。今回、高校生を対象としSHL 育成のための性教育プログラムを作成、実施した。本研究は、プログラム受講後の高校生の気づきや学びを明らかにすることである。【方法】SHL 育成プログラムを受講した高校2 年生72 名のうち、受講後の意見や感想の記載のあった49 名の記述内容をデータとし、計量テキスト分析用ソフトKH Coder を用いてテキストマイニングを行った。SHL 育成プログラムの実施及び調査は学校管理者の許可を得たうえで、対象となる高校生に研究趣旨、参加の自由意思であること、途中辞退可能であること、プライバシーの保護などについて、文書及び口頭で説明し、無記名の質問紙の提出をもって同意を確認した。【結果】形態素解析の結果、総抽出語数551 語、文章数は82 文であった。多く出現した抽出語(以下〈 〉で示す)と出現回数は、〈知る〉23 回、〈性〉16 回、〈思う〉11 回、〈自分〉11 回であった。共起ネットワークでは7つのサブグラフが描画され、各サブグラフに含まれる語を整理し意味内容を要約してサブグラフ名を命名(以下、『 』で示す)した。「講話」「知識」「SHL」等の9 語で構成される『SHL 育成の必要性』、「性」「思う」「活かす」等の6語で構成される『性についての再学習の機会』、「分かる」「重要」「学ぶ」等の5 語で構成される『性について学ぶことの重要性』、「知る」「性感染症」「理解」等の5 語で構成される『性感染症や避妊に関する知識の獲得』、「自分」「相手」「考える」の3 語で構成される『自分と相手の将来のための知識の活用』、「役立つ」「勉強」「大切」の3 語で構成される『今後に役立つ大切な勉強』、「正しい」「情報」の2 語で構成される『正しい情報の入手と判断の大切さ』であった。【考察】SHL 育成プログラムを受講した高校生は、SHL 育成の必要性、氾濫する性情報からの正しい情報の入手と判断などのSHLに関すること、性感染症や避妊に関する知識などを学んでいた。さらに、性に関して学ぶことの必要性や自分と大切な相手の将来を考えた行動について考えていたことが示唆された。