第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

講演情報

ポスター

ポスター38群 環境整備、看護実践

2023年11月9日(木) 10:30 〜 11:30 ポスター会場 (G1-G4)

座長:上野 瑞子

[ポスターY-38-4] ICU で勤務する看護師の接遇・身だしなみ改善に向けた取り組み

山口 沙也加, 渡邉 朋徳, 加藤 優花, 森島 克明, 佐々木 史乃 (順天堂大学医学部附属静岡病院)

キーワード:接遇、キャッチワード、行動変容

【目的】ICU 看護師の接遇・身だしなみ改善に向け、チーム活動としてユーモアと親しみやすさを汲み込んだインパクト重視のキャッチワードの提示に取り組んだ。今回、看護師個々の意識が高まり行動変容に繋がった可能性が示唆されたため報告する。【方法】看護部ラウンド結果から課題を抽出し、ユーモア、親しみやすさ、インパクトを重視したキャッチワードをチーム内で毎月検討し提示した。毎朝キャッチワードを読み合わせ、勤務終了時にスタッフ間で振り返りを行い意識付けを図った。データ収集は看護師45 名に対し自記式アンケート調査を実施したものと、看護部による接遇・身だしなみラウンド結果を(前期・後期)用いた。分析方法は、自記式アンケートは記述集計を行い自由記載はカテゴリー分けにて分析。看護部ラウンド結果は不適切項目の人数を集計し、前後比較を行った。本研究は所属施設の看護部倫理審査で承認を得て実施し、個が特定されないようデータの取り扱いに注意した。また看護系学会にて発表するため同意を得た。【結果】アンケート回収率100%。キャッチワードの提示で「意識が変わった」と回答したスタッフは82.2%、「実際に行動に移すことができた」と回答したスタッフは94.9% を占めた。更に、行動に移せた具体的場面として< 療養環境への配慮><同僚との関わり方>のカテゴリーが抽出され、「具体的内容で意識しやすい」「親しみやすい」という内容が導き出された。看護部ラウンドでは、できていない人数は、33名から11 名へと減少。できていない項目については、接遇・マナー・基本姿勢は1.2% から0.7%、患者対応は1% から0%、電話対応は4.6% から1.3% とすべての項目で減少した。【考察】ICU 看護師が不得手な接遇・身だしなみに焦点を当て、インパクト重視のキャッチワードに毎月更新したことで、スタッフの興味・関心を引き付けたと考える。更に、自身が意識的に行動に移すことで、患者やスタッフへの影響を実感し、やってよかったと思える満足感が行動変容を促進し、看護部ラウンド結果の好転に繋がった可能性がある。これはJ.Mケラーが提唱したARCS モデルの「注意」「関連性」「自信」「満足感」の要素に合致し、スタッフの動機付けに影響を与え、行動変容に繋がった可能性があると考える。今後はお互いを指摘しあえる職場風土の構築が課題として示唆された。