第54回(2023年度)日本看護学会学術集会 横浜

講演情報

ポスター

ポスター45群 看護職の心の働きとその対処③

2023年11月9日(木) 09:00 〜 10:00 ポスター会場 (G1-G4)

座長:髙井 今日子

[ポスターY-45-3] 混合病棟に勤務する看護師のレジリエンス構成要素

橋本 勝利, 山口 久美子, 嶋田 信子 (藤田医科大学七栗記念病院)

キーワード:レジリエンス、看護師、混合病棟

【目的】A 病院のB 病棟は緩和ケア・外科、リハビリテーション科、内科の混合病棟であり、勤務する看護師には幅広い知識とスキルが求められるとともに、多職種との連携も必要であり、日々の煩雑な状況から様々な困難を経験する。しかし、多くの看護師は、困難を乗り越え、看護師を続けている。昨今、困難を乗り越える概念としてレジリエンスが注目されている。そこで、本研究では、B 病棟看護師のレジリエンスの構成要素を明らかにし、看護師への支援を検討する一助とする。【方法】B 病棟の看護師(准看護師含む)23 名を対象に、2022 年9 月にGoogle Forms を使用し、属性および困難を乗り越えるために必要な自身の思いや方法を自由記述とし無記名にて回答を得た。分析は、記述統計および自由記述の内容は、「コード」化し、Grotberg が示すレジリエンスの要素であるI am(個人の内面の強さ)、I have(周囲からの支援)、I can(対処する力)に分類し、要素毎に〈カテゴリー〉化した。研究協力の同意については、回答欄に設けたチェックの有無にて確認した。【結果】有効回答者は11 名、年代は40 歳以上が54.5%、B 病棟での経験年数は5 年目以下が72.7%で最も多かった。レジリエンスの構成要素として、I am では「良い対応ができるように頑張ろうと思った」といった〈自分の気持ちを整理する〉〈現状をありのまま受け止める〉、I have では「同僚に話を聞いてもらう」といった〈支えてくれる同僚がいる〉「上司に報告した時、励ましの言葉をもらった」といった〈支えてくれる上司がいる〉〈信頼してくれている患者や家族がいる〉、I can では「どう対応すべきか聞く」といった〈自分で対処できる〉〈相手を思いやることができる〉の各カテゴリーが抽出された。【考察】看護師は困難に対し、その現状を受け入れながらも、自分には何ができるのかを振り返り、頑張ろうとする思いを抱いていた。そして、I can で示された自分で対処できるといった思いなどが自信につながり、これらの思いが相まることで、困難があっても看護に対する前向きな気持ちを高めていると推察する。よって、看護師が自身の言動に自信が持てるようになるための支援は有益と考える。あわせて、上司の励ましや丁寧な対応がレジリエンスの要素となっており、特に管理者による職場内での人的支援は重要と言える。