第56回日本作業療法学会

講演情報

企画セミナー

[C-8] 企画セミナー8 クリニカルクラークシップに基づく作業療法臨床教育研究会

2022年9月17日(土) 16:40 〜 17:40 第3会場 (Annex2)

司会(コーディネーター):小林 幸治(目白大学保健医療学部作業療法学科)

[G-19] 企画セミナー8:クリニカル・クラークシップ臨床実習をブラッシュアップするための成人教育学の活用を考える

講師:坂本 安令1, 三﨑 一彦2, 小林 幸治3 (1.横浜市立大学附属市民総合医療センター リハビリテーション部, 2.小樽臨床作業療法研究会, 3.目白大学保健医療学部作業療法学科)

作業療法学生は、臨床場面で自信が無く、自分の能力を適切に評価できない存在だと言える。しかし、一方で、臨床教育者(CE)に単に指示されるだけの存在ではなく、自分の学習を自らの関心に基づいて切り開く存在だろう。このように、学生を「学習者」としての成人として捉え、実習環境を心理的に安全な環境に整えて、積極的にCEや他職種や対象者と対話を行い、臨床実践をしながら自ら発見するような学びを作ることが、作業療法士となる礎を作るのではないだろうか。
2018年に厚生労働省より「理学療法士作業療法士養成施設指導ガイドライン」が定められたことにより、作業療法臨床実習はクリニカル・クラークシップ(CCS:臨床参加型)で行うことが基準となったが、この方式が導入されたことで、CEが自身の過去の経験に囚われず、目の前の一人の学生に適した指導方法を見いだし、常に修正しながら、学習者本人が現場実践の中での経験を次の場面で応用できるように導く実践を行う必要がある。本企画セミナーでは、このような主旨に基づき、作業療法臨床教育をブラッシュアップするための成人教育学の活用について議論したい。なお、ここでは「臨床教育」を、学内教育から臨床的な課題解決に向けた学習を行い、臨床実習で経験を通して学び、臨床的な視点を深めるという意味で用いる.ご参加の方々と共に、以下の3つのテーマで検討し議論したい.テーマ1:成人教育学を作業療法臨床教育にどう活かすか(三﨑一彦氏):総論として、成人教育学を通して見えてくる作業療法臨床教育のあり方を検討する。
②リフレクションシートを作業療法臨床教育にどう活かすか(坂本安令氏):実習生が自身の臨床実践をリフレクションする中で、次の臨床場面へ応用可能な気づきを引き出せる工夫を紹介する。③CCSによって作業療法臨床実習はアンラーニングされつつあるのか(小林幸治氏):アンラーニングとは学び直し・学びほぐしとも言われ、旧来の方法や経験至上主義から脱し、現状に適した考え方や方法に変えていくような学び方の事を言う。CCSの導入で私たちは旧態依然だった臨床実習指導を大きく入れ替えたと言えるが、これにより本来的な臨床教育のあり方をどう考えていけばよいかを検討する。