第58回日本作業療法学会

講演情報

ポスター

発達障害

[PI-6] ポスター:発達障害 6

2024年11月9日(土) 16:30 〜 17:30 ポスター会場 (大ホール)

[PI-6-8] 脳性片麻痺児に対する修正pediatric-Constraint-induced Movement Therapyの実践報告

田邉 浩司1, 田邉 浩文2 (1.東京都福祉保健局 都立府中療育センター, 2.湘南医療大学大学院 保健医療学研究科)

【はじめに】米国アラバマ大学のAngiらが2004年に開発したpediatric-Constraint-induced Movement Therapy(以下,p-CIMT)は,脳性片麻痺児の実生活や遊びの場面において麻痺側上肢および手の使用を誘発し習慣化することを目的に開発された.成人に対するCIMTとはプロトコルが異なり,pediatric-Motor Activity Logの管理(以下,PMAL)などは,母親に対して行われる.また麻痺が軽い側または非麻痺側に対する拘束(以下,拘束)は,セーフティミトンではなくファイバーグラスキャストが装着され,評価においてもArm Function Testという構成された遊びにおいていずれの手を使用するのかをチェックする評価法が用いられる.オリジナルプロトコルの課題は,転倒時に危険であること,3週間毎日クリニックへの通所は困難があげられる.
【目的】本報告は,この諸課題に対応し,軟性ミトンによる拘束,オンラインでの参加として実施し有効性を検証した.
【方法】対象は,未就学の脳性片麻痺児で,オリジナルとの修正は,成人と同じ真綿入りのミトンを麻痺が軽い側の手に装着した.プログラムはすべてオンライン管理として母親と面談をした.評価は,介入1ヶ月前,介入前後,介入後3ヶ月についてPMALと本報告は,施設の倫理委員会による承認を得ており,報告すべきCOIはない.
【結果】PMALの改善とAFTにおいて麻痺手の使用頻度の改善がみられた.
【考察とまとめ】p-CIMTはオリジナルにおいてもcare giverに焦点をおいた介入が行われることから,リモート介入が推奨されるべきであると考える.また,拘束は安全性の確保から軟性ミトンが有効であることが示唆された.