日本地球惑星科学連合2014年大会

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口頭発表

セッション記号 A (大気海洋・環境科学) » A-AS 大気科学・気象学・大気環境

[A-AS23_28PM2] 稠密観測によるマイクロ・スケール大気現象研究の新展開

2014年4月28日(月) 16:15 〜 18:00 424 (4F)

コンビーナ:*古本 淳一(京都大学生存圏研究所)、古本 淳一(京都大学生存圏研究所)、坪谷 寿一(NTTドコモ ライフサポートビジネス推進部)、座長:山口 弘誠(京都大学防災研究所)

16:55 〜 17:10

[AAS23-18] 超高分解能数値モデルによる複雑地表面上の局所的な気流変動の解析

*竹見 哲也1 (1.京都大学防災研究所)

キーワード:高分解能モデル, 複雑地表面上流れ, メソスケール気象モデル, LES

計算機能力の持続的発展に伴い、メソスケールの気象シミュレーションは、利用した条件設定のみならず現実的な気象場を対象としても格子間隔100 mの桁で行うことが可能となってきた。高分解能シミュレーションの利点は、現実場においては、地形や構造物といった複雑地表面をより良く表現できることにある。本発表では、地形や都市といった複雑地表面での局所的な気流がどのように数値シミュレーションで表現されるのか、ということについて述べる。現実の気象イベントの数値シミュレーションには、Weather Research and Forecasting (WRF)モデルを用い、ネスティングにより100 mスケールに細密化する。さらに100 mスケールから10 mスケールへの高分解能化には、複雑地表面を陽に取り扱う必要があり、このためにWRFモデルと数値流体力学(CFD)モデルを結合する手法を開発した(Nakayama et al. 2012)。CFDモデルには、ビル状の粗度ブロック上の流れ場をシミュレートするLarge-eddy simulation (LES)モデル(Nakayama et al. 2011)を用いた。本結合手法は、Mayor et al. (2002)のリサイクリング法を改良したものであり、現実気象場の状況を取り込みつつ粗度により生成される乱流も表現することが可能である。本結合手法の考え方を紹介し、東京での強風事例を対象としたシミュレーション実験の結果について発表する。さらに、複雑地表面上の気流の高分解能シミュレーションに関する他の解析事例についても紹介する。