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[AAS23-18] 超高分解能数値モデルによる複雑地表面上の局所的な気流変動の解析
キーワード:高分解能モデル, 複雑地表面上流れ, メソスケール気象モデル, LES
計算機能力の持続的発展に伴い、メソスケールの気象シミュレーションは、利用した条件設定のみならず現実的な気象場を対象としても格子間隔100 mの桁で行うことが可能となってきた。高分解能シミュレーションの利点は、現実場においては、地形や構造物といった複雑地表面をより良く表現できることにある。本発表では、地形や都市といった複雑地表面での局所的な気流がどのように数値シミュレーションで表現されるのか、ということについて述べる。現実の気象イベントの数値シミュレーションには、Weather Research and Forecasting (WRF)モデルを用い、ネスティングにより100 mスケールに細密化する。さらに100 mスケールから10 mスケールへの高分解能化には、複雑地表面を陽に取り扱う必要があり、このためにWRFモデルと数値流体力学(CFD)モデルを結合する手法を開発した(Nakayama et al. 2012)。CFDモデルには、ビル状の粗度ブロック上の流れ場をシミュレートするLarge-eddy simulation (LES)モデル(Nakayama et al. 2011)を用いた。本結合手法は、Mayor et al. (2002)のリサイクリング法を改良したものであり、現実気象場の状況を取り込みつつ粗度により生成される乱流も表現することが可能である。本結合手法の考え方を紹介し、東京での強風事例を対象としたシミュレーション実験の結果について発表する。さらに、複雑地表面上の気流の高分解能シミュレーションに関する他の解析事例についても紹介する。